ビットコイン(BTC)は、米国株式市場の下落と歩調を合わせ、11万1000ドルを一時割り込んだ。背景には、米労働統計局(BLS)が91万1000件の雇用を削除するという史上最大の修正を行ったことがある。

米国景気後退リスクが高まる中、BTCはさらに下落するのか、それとも反発に向かうのか注目されている。

BTC/USD 日足チャート Source: TradingView

米国株の歴史が示す「資産保有者は報われる」展開

BLSは3月の基準改定で、民間部門から88万件、政府部門から3万1000件の雇用を削除した。失業率は4.3%に上昇し、8月の雇用増加数は予想の7万5000件に対してわずか2万2000件にとどまった。

コア個人消費支出(PCE)指数は2.9%にとどまり、景気後退リスクを高めている。市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和に動くかどうかを注視している。

CMEデータによれば、、FRBが9月に25ベーシスポイントの利下げを承認する確率が92%に達し、年末までにさらに2回の利下げが行われるとの見方も出ている。

9月のFOMCにおける目標金利の予想 Source: CME

金融分析アカウントのコベイシ・レターは「労働市場が弱いため、FRBはインフレが高止まりする中で利下げに動くだろう」と述べ、「資産保有者はその恩恵を受ける」と付け加えた。

過去の歴史も同様の教訓を示している。例えば1990〜1991年の景気後退期、FRBは失業率が6.8%に達し、PCEコアが約4%にとどまる中で政策金利を8.25%から3%まで引き下げた。株価は一時20%下落したが、翌年には30%以上の反発を見せた。

SPX 月次チャートSource: TradingView

2025年も同様の動きが見られ、金価格は雇用統計修正前の数カ月で40%上昇した。コベイシ・レターは「金市場はすでに弱い雇用データを織り込み済みだ」と指摘している

年初来からの金価格推移 Source: TradingView/The Kobeissei Letter

ビットコインも2025年にこれまで20.3%上昇しており、過去の金との相関関係から今後の価格上昇を示唆している。

ビットコインは史上最高値更新へ?

テクニカル面では、ビットコインは上昇ウェッジの下限から反発しており、強気派が再び主導権を握っていることを示唆している。上方ターゲットは1.618フィボナッチエクステンションに位置する12万9000ドル付近で、約12〜15%の上昇余地が見込まれている。

BTC/USD 日足チャート Source: TradingView

同時に、ビットコインは20週間指数平滑移動平均線(EMA、約10万8500ドル)を上回って推移しており、強気の見通しを裏付けるとともに、現在価格の直下に強固なサポートが存在することを示している。

BTC/USD 週足チャート Source: TradingView

11万5000〜11万6000ドルの抵抗ゾーンを明確に上抜ければ買いが加速し、史上最高値を更新する上昇局面に突入する可能性が高い。これが強気相場サイクルの次の段階となるかが注目される。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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