ビットコインのクジラ(大口投資家)や機関投資家は、最近のビットコイン価格の下落を最大限に利用して、大規模な押し目買いを行なったことが明らかになった。
オンチェーン分析サービスのマテリアル・インディケーターは世界最大の仮想通貨取引所バイナンスで10万ドル以上の買い注文が過去最高に達したことを指摘した。
躊躇なき大口購入
10万ドル未満の注文とは対照的に、ビットコインの歴史上にないほどの大規模な購入が頻繁に行われている。
小規模な買い注文は2021年に入ってから急減している。これは最近の価格上昇では取引所の流動性が機関投資家によって行われているという指摘と一致する。
マテリアル・インディケーターは「10万〜100万ドルクラスで新たな最高値が作られようとしている」と指摘。以下のようにコメントした。
「つまり、彼らは押し目を買った」

マテリアル・インディケーターはこれまでにも今週の価格上昇に懸念を示していた。それはクジラが急騰後に売りを行っていることで、58000ドルへの上昇と、その後の25%の調整が繰り返される可能性を指摘している。
これは現在のところ実現していない。しかしマクロ経済要因から、こうした予想とは異なる動きも出てくることも想定される。
米国の新型コロナ対策として可決された1.9兆ドルが報じられた後、クジラの注文は減少したが、中国がハイテク株をサポートしたことは逆効果となった。既報のように、ハイテク株は株式市場の運勢を劇的に変化させたからだ。
コインベースでの大量買の後に急騰
一方で、コインベース・プロでは12000BTCの大量送金が確認されている。
クオンツアナリストのレックス・モスコヴィスキ氏は、グラスノードが示したこの大量送金のデータについて「最近の価格急騰直前に起こった。素晴らしい偶然の一致だね」とコメントした。
ビットコインは9日に54500ドルと2週間ぶりの高値を記録した。

機関投資家の参入が、伝統的市場からビットコインへ参入する投資家の普及を後押ししているようだ。
アークインベストメントのキャシー・ウッドCEOは今週、CNBCの取材に対しビットコインについて「実際にうまくいくと思う。信じるにせよ、信じないにせよ債券市場のようになるだろう」と答えた。
バイナンスのオーダーブックによると、次の大きなレジスタンスは史上最高値である58000ドルと59500ドル付近にあることがわかっている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン