コインベースのプロダクト責任者コナー・グローガン氏は、2025年6月末に86億ドル相当のビットコインが突如移動した件について、ハッキングによる可能性がわずかにあると述べた。この動きがもし悪意ある者によるものだった場合、史上最大の盗難事件になり得るという。
「もし本当にハッキングによるものだった場合(あくまで仮定に過ぎないが)、これは人類史上最大の盗難事件になる」とグローガン氏は6月28日のX投稿で述べた。これは、8つのウォレットに長年保管されていたビットコイン(BTC)が突然移動したことを受けての発言だ。
不審なビットコインキャッシュの送金が手がかりか
グローガン氏は、「最近動き出した総額80億ドル超のBTCは、ハッキングや秘密鍵の漏洩による可能性がわずかながらある」と指摘。特に注目しているのは、1万BTCずつの送金が行われる直前に発生した、ビットコインキャッシュ(BCH)の不自然なテスト送金だ。
「14時間前に、BTC保有クラスターの1つから単発のBCHテスト送金があった。続いて、全額が移動された。その1時間後にBTCの送金が始まった」とグローガン氏は述べた。
この挙動から、ウォレットの所有者が秘密鍵の有効性を静かにテストしていた可能性もあるとグローガン氏は分析している。ビットコインキャッシュはBTCに比べて監視対象になりにくいため、クジラ追跡ツールの目を避けやすいという。
しかし、グローガン氏は「不可解な点もある」として、「他のBCHウォレットはまったく動かされていない。もしテスト目的なら、なぜそちらも一緒に動かさなかったのか」と疑問を呈した。
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移動したビットコインは新たな8つのウォレットに
同日、ブロックチェーン分析企業アーカムもこの件に言及。8つのウォレットから86億ドル相当のビットコインが、1人の所有者によって移動されたと推定している。
アーカムによると、これらのビットコインはすべて2011年4月2日または5月4日に現在の元ウォレットに入金され、それから14年以上まったく動かされていなかった。
今回の送金により、ビットコインは新たな8つのウォレットに移されたが、その後は移動されていないという。
コインマーケットキャップのデータによれば、記事執筆時点のビットコイン価格は10万8150ドルで、過去24時間でわずか1.02%の下落にとどまっている。今回の大規模移動にもかかわらず、市場に目立った動揺は見られていない。
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