ビットコイン(BTC)は2月7日も軟調な展開となり、予測市場が米国の雇用統計の「大幅な上振れ」を警告している。
BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
米雇用統計が新たな逆風をもたらすか
TradingViewのデータによると、BTC/USDは前日最大3.5%下落した後、9万7000ドル付近で推移している。
米国の新規失業保険申請件数は予想をわずかに上回ったものの、リスク資産にとっては本来プラス要因となるはずのこの結果も、ビットコイン市場では好感されなかった。
今後については、市場関係者の間で雇用統計によるさらなる波乱を予想する声が強まっている。
「明日の雇用統計は大幅な上振れとなるのか?」と、トレーディングリソースのコベイシ・レターは2月6日のX投稿で問いかけた。
コベイシ・レターは1月の米雇用統計に関して、ウォール街の予想値と予測市場の数値に大きな乖離が生じていることが、市場へのリスク要因になる可能性を示唆している。
予想を上回る雇用市場の成長は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に影響を与える可能性があり、金利を長期間高水準に維持する余地を生むことで、リスク資産全般にとって逆風となる。
「カルシの予測市場では、1月の米国雇用者数が23万8000人増加したと予想されている。さらに、30万人以上の増加となる確率は28%に達している」と、Kobeissiは指摘する。
「これはウォール街の中央値予測である16万9000人を大きく上回っている。仮に30万人以上の増加となれば、2024年3月以来初の大幅な伸びとなる。予測市場は2025年の労働市場の好調なスタートを示唆しており、明日の雇用統計は極めて重要な指標となる」
Source: Kalshi
CME GroupのFedWatchツールの最新データでも、市場がFRBの第1四半期の金融緩和に確信を持てていないことが示されている。
FRBの次回会合(3月)で0.25%の利下げが実施される確率は、現在わずか14.5%にとどまっている。
Fed target rate probabilities. Source: CME Group
「10万ドル〜9万5000ドル」のレンジで推移か
ビットコイン価格の値動きは、明確な流動性バンドの範囲内で推移し、大きな変動が抑えられている。
「短期的な流動性が現在の価格帯の周囲に集まっているため、本格的な動きが出る前に両サイドの流動性が狩られる展開が予想される」と、トレーダーのマーク・カレン氏はXで解説した。
「週間チャートでは上方向に大きな流動性があるため、まず9万5000ドル付近の流動性を狩った後、昨年の最高値を超える水準へ向かう可能性がある」
Bitcoin liquidity data. Source: Mark Cullen/X
トレーダーのスキュー氏もこの見解に同意し、ビットコインの価格動向を大きく変化させるには、外部からのボラティリティ要因が必要になると指摘した。
「現在の市場は解決待ちの状態にあり、通常これはマクロ要因によって決定される」と述べ、バイナンスのスポット市場に関するXの投稿の中で、「本日の予想レンジは10万ドル〜9万5000ドル」と述べている。
BTC/USDT 15-minute chart with liquidity data (Binance). Source: Skew/X
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。