ビットコイン(BTC)に対する個人投資家の市場心理が二極化している。価格が上昇すると見る層と、下落を予想する層がほぼ拮抗し、投資家のセンチメントは4月にトランプ大統領の関税発言で市場が崩れたとき以来の水準まで悪化している。

仮想通貨分析プラットフォームのサンティメントのマーケティングディレクターであるブライアン・クインリバン氏は20日、「現在、仮想通貨市場はやや停滞しており、トレーダーの間には焦燥感と弱気な空気が漂っている」Xで述べた

同氏によれば、サンティメントのSNS分析では「強気コメント1件に対して弱気コメントが0.97件あり、コメント比率が1.03:1という水準に落ち込んでいる」という。このような数値は、4月6日の関税発表による「FUD(不安・不確実性・疑念)」がピークに達していた時期以来だ。

クインリバン氏は、市場が往々にして個人投資家の予想とは逆に動くことから、「この指標は歴史的に見ると強気サインとなる傾向がある」と言う。

The general sentiment of Bitcoin bears and bulls is split across social media. Source: Santiment

サンティメントのプラットフォームは、テレグラム、ディスコード、レディットt、XなどのSNS上での仮想通貨に関する発言を分析し、投資家心理の傾向を追跡している

恐怖強欲指数も「中立」に転落

投資家心理を示す別の指標である恐怖強欲指数も、20日時点でスコアが100点中54となり、「強欲」から「中立」へと転じた。

この指数は、グーグルトレンド、アンケート結果、価格モメンタム、市場支配率、SNSの言及数、価格変動率などをもとに算出される。

The Crypto Fear & Greed Index has returned a score in neutral territory in its Friday update. Source: alternative.me

6月9日から15日までの1週間の平均スコアは61で「強欲」となっていた。さらに1カ月前の平均は70で、こちらも「強欲」となっていた。

クジラは買い増し、個人は売却

一方で、同じく20日に公開されたサンティメントの別レポートによれば、ビットコインの大口投資家(クジラ)と個人投資家は対照的な動きを見せているという。

過去10日間で、10BTC以上を保有する新規ウォレットが231件増加した一方、10BTC未満のウォレットでは3万7000件以上がビットコインを売却している。

クインリバン氏は「個人投資家の信頼が薄れる中で大口ウォレットが買い増すというこの組み合わせは、歴史的に見ても仮想通貨市場に強気の勢いが戻ってくる典型的なパターンだ」と指摘している。

コインゲッコーのデータによると、ビットコインは現在10万4600ドル前後で取引されており、過去14日間で3%上昇している。

イーサリアムも同様の傾向に

イーサリアム(ETH)でも同様の現象が見られており、過去1カ月で大口保有者による買い増しが進んでいる一方、個人投資家は売却を進めている。

仮想通貨取引所ビットゲットの最高執行責任者であるヴガル・ウシ・ザデ氏は6月上旬にコインテレグラフの取材に応じ、「個人投資家の取引行動は、過度な投機からより実用的で持続可能な用途へとシフトしている」と述べた

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