4月25日の米ウォール街での取引開始後、ビットコイン(BTC)は、価格上昇の持続性をめぐる議論が続く中、重要レジスタンスの突破を試みている。
買い手と売り手が激しくぶつかる展開に
トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDは7週間ぶりの高値となる9万5000ドルを記録した。
ビットコインは、年初来価格である9万3500ドルを日中のサポートとして維持した後、レバレッジ・ショートポジションを清算させながら、10万ドルに向けて価格を押し上げた。
オンチェーン分析ツールのコイングラスによると、複数の取引所の注文板において、上値側の流動性を次々と吸収している様子が確認されている。
こうした動きを受けて、トレーダーのダーン・クリプト。トレード氏は、現在の価格帯が強気市場において極めて重要な水準であることを指摘した。
「現在、強気相場のサポート帯を上回って取引が行われている」と同氏はXに投稿し、2025年初めに一度失われた移動平均線の集積帯が再び意識されていることを示唆した。
「週足でこの水準を上回ってクローズすれば、中長期的に非常に好ましい形となる。維持できれば、新たな高値を期待できるはずだ」。
一方で慎重な声も根強い。トレーダーのスキュー氏は、大量の売り注文とそれに見合う買い注文がせめぎ合う状況を指摘する。
「現在の価格帯は、受動的な買い注文が市場の売りを吸収しているからこそ維持されている。この買いがなければ、価格はもっと下にあっただろう」と同氏は述べる。
「最終的にはどちらかが諦め、その時に大きなボラティリティが発生することになる」
10万ドルへの“カタリスト”待ち
マテリアル・インディケーターズの共同創業者キース・アラン氏も、BTC/USDが9万5000ドル以上を持続できるかについて懐疑的な見方を示した。
アラン氏は、価格上昇とともに出来高が減少している点、ローソク足のヒゲが年初来価格を下回る傾向にある点、さらにマテリアル・インディケーターズ独自のトレーディングツールにおいて「下落」シグナルが出ている点を挙げている。
「個人的には、9万5000ドル以上への急騰がそのシグナルを無効化する可能性はあるが、それは“ショートスクイーズ”でしかないと見る。何らかの実体あるカタリストが伴わない限り、上昇は一時的なものと捉えるべきだ」とアラン氏は述べている。
マクロ経済の観点からも、BTC/USDが10万ドルに再挑戦する前に一時的な保ち合いが挟まれるとの見方が強い。
QCPキャピタルは、最新のテレグラム投稿において「ビットコインには10万ドルに到達するための“明確なカタリスト”が現時点では存在しない」と指摘している。
「ここ数週間の上昇ペースを踏まえ、当面は戦略的に慎重なスタンスを取る」と書いている。
「ポジションが過密になりつつあり、重要な価格帯で大きな反応が起きる可能性がある。市場参加者は、上昇継続か失速かの分岐点を注視している」
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。