ビットコイン(BTC)は月曜に8万6000ドルを下回り、個人投資家が押し目買いを続ける一方で、流動性の不均衡が拡大している。大口保有者(クジラ)はこうした需要を利用してポジションを手放しており、下落圧力は依然として強いままだ。
クジラが売りを主導
ハイブロック・キャピタルのオーダーフローデータは、参加者層ごとの行動が大きく乖離していることを示している。小口投資家(ウォレット残高0〜1万ドル)は累積取引高デルタ1億6900万ドルを積み上げ、下落トレンドに逆らって買いを入れている。中規模の投資家(1000〜10万ドル)も回復を先回りしようとして3億500万ドルのポジションを構築した。

しかし、クジラウォレット(10万〜1000万ドル)は依然として圧倒的な売り手であり、累積取引高デルタはマイナス27.8億ドルとなっている。小口・中規模投資家の買い余力では、機関投資家規模の売りを吸収できない状況だ。
その結果、小口・中規模の投資家は「10万ドル割れを割安」とみなし、大口保有者は同じ価格帯を「エクスポージャーを減らす好機」と捉え、流動性のミスマッチが生じている。
オンチェーンアナリストのアクセル・アドラー・ジュニア氏は、短期保有者SOPR(売却時の損益指標)が1を割り込み、現在0.99付近にあることを指摘した。これは155日未満保有のコインが平均で損失を抱えつつ売却されていることを意味する。
歴史的に、こうした状況は投げ売り局面と一致してきた。だが、アドラー氏はこれで底打ちだとは言えないと強調した。SOPRが1を回復し、それを維持することで、需要が供給を吸収し始めたことが確認されれば、持続的な回復が始まる可能性があるという。

下方流動性の再テストにオープンな状態
テクニカル面では、ビットコインの構造はさらに弱まっている。BTC価格は上昇ウェッジパターンを下抜けし、月次VWAP(出来高加重平均価格)を割り込んだ後、8万7600ドルを下回る弱気の構造崩壊(BOS)を形成した。

短期の強気トレンドが無効化されたことで、BTCは過去の流動性プールや外部流動性ゾーンに向けた下落余地を抱える。
直近の注目水準は8万3800ドルの安値であり、売り圧力が継続すれば8万600ドルの四半期安値への深掘りもあり得る。現状では、オーダーフローとオンチェーンの両シグナルが「底打ち判断には早い」と示しており、持続的な反転には時間が必要とみられる。
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