ビットコイン(BTC)価格は一時11,000ドルを突破したが、多くの指標をみると、ビットコインの投資家心理は依然として低いままであることを示している。
オンチェーン分析企業Santimentは、ビットコインの加重ソーシャルセンチメントは過去2年間で最低レベルであると指摘している。この指標は、ツイッターでのビットコインへの言及を分析し、肯定的コメントと否定的コメントの比率を比較するものだ。
新型コロナウィルスのパンデミックによって3月に発生した市場暴落の後、ビットコインは力強い回復を見せていた。この間、ソーシャルセンチメントはポジティブに動いていた。しかし、5~7月の間、ビットコインが9,000ドルのレンジで保ち合いとなっている間、再びネガティブの領域に陥った。
Santimentは、一般的に極端な安値でのネガティブなセンチメントは価格の上昇で変化するが、極端な高値では相場とは逆の動きをすると指摘している。
2) the ratio of positive vs. negative commentary on the platform. Generally, negative sentiment at extremely low levels correlates with price rises, whereas extreme highs correlate with price retracements. Read about how we calculate sentiment in our academy using the link above,
— Santiment (@santimentfeed) September 16, 2020
ビットコインは、8月中旬に2020年の最高値である12,400ドルに達したが、2019年のピークである13,800ドルを上回ることができなかった。アナリストの一部は、このことから、まだ強気市場でないことを示していると主張している。
もう1つの投資家心理を測る指標であるビットコイン恐怖・強欲指数は、記事執筆時点で48となっており、中立的な値となっている。この指標は、ボラティリティや市場の勢い、ソーシャルメディアでの反応、市場のドミナンス、現在のトレンドなどの要素を組み合わせて導き出される。
8月のほとんどの間、ビットコインが11,000ドルの高値で取引されていたため、このビットコイン恐怖・強欲指数は80前後で推移し「極端な強欲」のゾーンにあった(3,4月は逆に「極端な恐怖」となっていた)。
チャートプラットフォームのTradingviewには、いくつかのテクニカル指標から派生した独自のセンチメント指標がある。デイリーとウィークリーでは買いシグナルが点滅しているが、より短期の時間枠では中立となっている。
ビットコインは今年の大部分で株式市場の値動きと大きく相関していた。株式市場には「9月効果」と呼ばれるアノマリーがあり、歴史的にリターンが悪い月だといわれている。仮想通貨取引所クラーケンも最近の分析の中で、9月のビットコインのパフォーマンスがマイナスになるのではないかと予測している。こういったアノマリーが、Santimentが報告したセンチメント悪化に影響しているかもしれない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン