イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、PlanBとして知られるオランダの偽名機関投資家が開発した、人気あるビットコイン価格予想モデルであるストック・フロー(S2F)モデルを批判した。

S2Fモデルは、強気相場中に価格予測を的中させ、注目を集めたが、その強気相場中にも何度もモデルのラインを逸脱している。

ブテリン氏は「数字が上がるという誤った確信を人々に与える金融モデルは、有害であり、紛い物に値する」と痛烈に批判した。

S2Fモデルは、希少性に基づいて資産価格を数値化するもので、主に金や銀といった人気のある金属の価格予想に使われていた。PlanB氏が普及させたBTCのS2Fモデルは、BTCの価格が4年ごとに約10倍のリターンを得て、安定的かつ印象的な上昇経路を続けることを示している。

多くの評論家が指摘するS2Fモデルの決定的な問題点は、BTCの供給側のみを考慮し、需要は今後も伸び続けると想定している一面的な試算にある。

BTCの需要は大きな伸びを示しているが、FRBの量的緩和に伴うインフレなど他の要因が消費者の購買力に大きな影響を与えている。そのため、S2Fモデルは、主に市場のセンチメントに影響を与えるいくつかのマクロ経済的な要因を考慮していない。

PlanB氏はブテリン氏の批判に対して、"暴落の後には、失敗したプロジェクトや間違った投資判断だとするスケープゴートを探す人がいる"と反論した。

S2Fモデルによると、BTCは2021年12月末に10万ドルの大台に乗る予定だった。PlanB氏は過去に外部要因による一定の欠陥があることを認めていたが、強気相場のピーク時にこのモデルが人気を博したことで、ほとんどの批判を押し退けた。