サトシ・ナカモトがビットコインを初めて提案した歴史的なホワイトペーパーが、米アップルのマックコンピュータ向け最新版オペレーティングシステムに隠されていることが判明した。サトシ・ナカモトはビットコインの発明者とされるが、正体は未だ明らかになっていない。

技術者のアンディ・バイオ氏が4月5日のブログで明らかにしたところによると、ビットコインホワイトペーパーのPDFが2018年のmacOS Mojave以降の全てのmacOSに付属しているという。バイオ氏は「プリンタを修理しようとする」最中、ワイアレススキャナを使って書類をスキャンしようとした際に、「Virtual Scanner II」という初めて見るデバイスが表示された。

デフォルトでVirtual Scanner IIには写真が表示されていたが、バイオ氏がメディアタイプを「Photo」から「Document」に変更すると、ビットコインのホワイトペーパーが現れた。

A screenshot of the Bitcoin white paper appearing within the “Virtual Scanner II” device. Source: Waxy

バイオ氏は自身のブログで、このことについてオンライン上にほとんど情報がないとのべている。

バイオ氏はその後、macOS用コマンドラインインターフェイス「Terminal」でホワイトペーパーを簡単に表示できるプロンプトを作成した。「他のマックユーザーの友人にも確認してもらったら全員が表示できた」と彼は語った。

コインテレグラフが検証したところ、プロンプトは3台の異なるアップルマックデバイスでビットコインホワイトペーパーを正常に開くことができた。

バイオ氏のブログによれば、このファイルは macOS Mojave(10.14.0)から現行バージョンのVenturaまでの全てのmacOSに存在するが、High Sierra(10.13)以前のバージョンには存在しないとされている。

なぜビットコインのホワイトペーパーが最新版macOSに同梱されているのかは不明だ。

バイオ氏は自身の投稿で「エンドユーザーには見られることを意図していない、テスト目的で使われる便利で軽量なマルチページPDFとして使われたのではないか」と推測している。

コインテレグラフはアップルにコメントを求めたが、すぐには返答が得られなかった。謎は深まるばかりだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン