テスラCEOのイーロン・マスク氏がツイートするたびに該当の仮想通貨が上昇する最近の仮想通貨相場。マスク氏のツイートでどれだけ価格が上昇するのかを分析したレポートが発表された。

ブロックチェーン・リサーチ・ラボが2月3日に発表した「イーロン・マスクのツイッター活動は仮想通貨市場をどう動かすか」と題されたレポートでは、マスク氏の6つのツイートから、仮想通貨の取引量とスポット価格の影響を分析した。

6つのツイートのうち、4つがドージコインで、2つがビットコインに関連したものだ。もっとも影響が大きかったのが2020年12月にあった「One word. Doge」というツイートのあとだ。

このツイートの前にはドージコインは1分間で約9回取引されており、平均取引高は1942ドルだった。ツイート直後の30分後では、取引回数は775回、取引高は299330ドルに跳ね上がったという。

特に2つのツイートが大きな相関関係があったと指摘した。

「ツイッターアクティビティのうち4つは、市場に対する反応に過ぎない可能性が高く、ツイートが直接価格に影響を与えたとは言いにくい。しかし、残りの2つは市場とは独立して行われ、取引量の大幅な増加とプラスのリターンをもたらした」

ビットコインに対して大きなインパクトがあったのは1月29日に、マスク氏のプロフィール欄に「ビットコイン」という言葉が追加されたことだ。既報のように、ビットコイン価格は数分内に急騰し、数時間で20%近く上昇した。

マスク氏の行動が市場の上昇圧力になることが示された一方で、レポートではソーシャルメディアの活動内容によっては、マイナスの影響があることも指摘されている。また、こうした動きは仮想通貨に限らず、株式市場にもあり、最近のゲームストップ騒動以前からも起こっていた。

レポートでは「正しい」ツイートと「間違った」ツイートによって数千億ドルの差が出かねないことも主張している。

「このレポートの結果から、公の場で、どのような条件で仮想通貨にコメントすべきなのかという疑問が出てくる。1つのツイートがビットコインの時価総額を1110億ドル増加させる可能性があるとすれば、異なるツイートが同じような価値を一掃する可能性もある」と論文は締めくくっている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン