12月10日のビットコイン相場は、冴えない展開が続いている。ビットコインは24時間前と比べて2%下落し、7300ドル付近で推移している。中国では11月の消費者物価指数が発表され、7年10ヶ月ぶりの高水準だったことが仮想通貨業界でも注目されている。

(出典:Coin360 日本時間12月10日17時50分時点)

中国国家統計局は10日、11月の消費者物価指数(CPI)は、前年比4.5%上昇したと発表した。高騰の背景にあるのは、豚肉の高騰。アフリカ豚コレラ(ASF)のまん延によって豚肉への需要が急速に高まった。

一方、卸売物価指数(PPI)は前年比で1・4%のマイナスにとどまった。

今回の物価上昇の背景にあるのは豚肉価格の上昇であるから、長期的には高止まりをするという楽観論が出ている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スタンダードチャータード銀行のエコノミストであるリー・ウェイ氏は、豚主導の物価高のため中国人民銀行が今年に利下げなどさらなる金融緩和をすることはないとしつつも、来年の第2四半期には豚の価格が高止まりする見込みでありその頃に景気刺激策も再び再開される可能性があるとみている。

ただ、今回の物価上昇を世界的な金融緩和の流れの産物とみるアナリストもいる。

仮想通貨に詳しいクオンタム・エコのミックス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、「これは始まりだ」と指摘。「世界の中央銀行は10年以上経済に多額のマネーを注ぎ込み続けて来た。彼らはどうなると思っていたのだろうか?」と構造的な問題点を述べた。

中国人民銀行による金融緩和策によって人民元安が進むことでビットコインへの需要が高まるとみる専門家もいる。

【関連記事:仮想通貨取引所ビットメックスのヘイズCEO、人民元安でビットコインの「壮大な」強気相場が始まると予想