多くの投資家やトレーダーは、米大統領選の選挙期間中に大規模なボラティリティが発生すると予想していたが、現在のところ何も起きていない。仮想通貨(暗号資産)ビットコイン価格は安定しており、14000ドルのレジスタンス付近で推移している。ビットコイン価格は過去24時間を通じて株式市場と連動して動いている。

14000ドルのレジスタンスは破れていない

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDの週足チャート」

週足チャートでは価格上昇する前に、以前のサポートとレジスタンスのレベルをテストしており、自然で有機的な値動きは健全なセットアップを示している。

チャートが示すように、この構造は10000ドルレベルでサポートされており、そこからビットコイン価格は現在の13800ドルに向かって上昇した。

こうしたことから11500ドル付近への調整は市場にとって健全なものとみられ、再びサポートとレジスタンスの反転が起きる可能性がある。

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDの週足チャート」

サポートとレジスタンスの反転は、2016年の強気サイクル開始時にも起きており、頻繁に発生している。

今年はかなり長い期間で、レンジ内の値動きがみられた。これはある資産の価格が価格発見されるまで発生し、その結果、パラボリック(放物線を描くような上昇)の値動きにつながる可能性がある。

2016年の選挙でもボラティリティはなかった

(出典:トレーディングビュー「BTC/USD4時間足チャート」)

興味深い視点として、現在のビットコインの上昇は2016年のものと似ているということだ。2016年は、選挙前の数週間で米ドル指数が大幅に下落した。この下落中にビットコイン価格は600ドルから740ドルまで20%以上の上昇となった。

しかし、投票期間中にはあまりボラティリティは発生しなかった。上記の図の縦の赤い線が示すように、価格は選挙結果が判明してから上昇を始めた。ビットコイン価格は数時間で6%も上がった一方で、米ドル指数は弱さを見せた。

そのため、ビットコインと市場全般に関する大きな動きは4年前と同様に、選挙結果が確認された後に起きる可能性がある。

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDの4時間足チャート」) 

今回の選挙前のチャートからは、2016年との類似点が多くみられる。米ドル指数の下落でビットコイン価格が押し上げられている。

ビットコイン価格は数週間で10600ドルから13800ドルへと、30%上昇した。ただ、今回の選挙期間中での大きな違いは米ドルが安定していることであり、ビットコインは反発して上昇の勢いを継続していることだ。

BTCの短期シナリオ

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDの4時間足チャート」) 

しかし、4時間足チャートでは弱気のダイバージェンスが発生する可能性が出てきている。ビットコイン価格は高値で流動性をとっているが、14000ドルの壁を破れていない。

突破の試みは拒否され続けているため、完全な強さを示している訳ではない。価格が継続して上昇するためには13850〜13975ドルの間のエリアが決定的なブレークポイントになるだろう。これをブレイクした場合は、15,000ドルが次のターゲットとなる。

しかしブレイクに失敗すれば、13000〜13200ドルのサポートをテストする展開は避けられないだろう。前述したように、こうした調整は市場にとって健全なもので、強気サイクルを構築するために必要だ。

より高いタイムフレームのシナリオはどうなる?

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDの5日足チャート」)

5日足チャートは、より低いタイムフレームでブレイクした場合のシナリオを示している。したがって、13900ドルエリアがレジスタンスとして維持されていれば、11500〜11800ドルへの調整は驚くべきことではない。

こうした調整は次の値動きが始まる前に再びサポートとレジスタンスを反転させる。ビットコイン価格が蓄積と圧縮を終えれば、予想以上に早く史上最高値を更新するかもしれない。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります。