11月は例年ビットコイン(BTC)にとって最も強い月とされてきたが、今年はそうならないかもしれない。複数のアナリストが、過去のような上昇相場ではなく、保ち合い局面が続く可能性を指摘している。

仮想通貨取引所ビットフィネックスのアナリストは、11日の市場レポートで次のように述べた。

「現在のマクロ環境は政策緩和を示唆しているが、FRB(米連邦準備制度理事会)からのメッセージは一貫性を欠いている。このため、ボラティリティが再び拡大する前に、安定化のための保ち合いフェーズが必要だ」

ビットフィネックスはさらに、ジェローム・パウエルFRB議長が12月会合での0.25%利下げについて「不確実性」を示唆したと指摘した。

利下げ確率は70%を下回る

CMEのFedウォッチツールによると、過去2か月間で利下げ確率は常に90%近くを維持してきたが、現在は12月10日の会合での利下げ確率が67.9%に低下している。

通常、利下げや追加利下げへの期待は仮想通貨市場にとって強気材料とされる。投資家がより高いリターンを求めて、預金や債券などの安全資産からリスク資産へ資金を移す傾向があるためだ。

しかし、市場が「利下げ継続」を当然視する中で、FRBが利下げを停止、もしくは反転させる兆しを見せれば、仮想通貨市場が動揺する可能性がある。

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過去30日のビットコイン価格推移 Source: CoinMarketCap

ビットフィネックスのアナリストは次のように指摘する。

「ビットコイン強気派の忍耐が限界に近づいている。価格が11万6000ドルを超えて回復しない限り、時間の経過が強気派にとって逆風になる」

執筆時点でビットコインは10万3000ドル前後で取引されており、過去24時間で約3%下落している。

歴史的に11月は「最強の月」

一方で、すべてのアナリストが悲観的なわけではない。データサイトのコイングラスによれば、2013年以降の11月におけるビットコイン平均上昇率は41.78%と、年間で最も高い。

仮想通貨トレーダーのデイブ・ワイスバーガー氏は、「ビットコインのファンダメンタルズは強固」と述べ、「現在の市場環境は過去のサイクルと比較して非常に建設的だ。金融資産全体の中で見ても、今はレンジの“底”に位置している」と指摘した

また、アナリストのカール・ルネフェルト氏はX上で「11月は再び緑に染まる(上昇する)」と投稿し、「大きなグリーンキャンドル(上昇足)が再び来る」と強気な姿勢を見せた。トレーダーのアッシュ・クリプト氏も「依然として強気」と述べている

とはいえ、ビットコインは10月はじめに史上最高値12万5100ドルを記録した後、勢いを失っている。

10月10日に発生した市場暴落では、約190億ドル規模のレバレッジポジションが清算され、仮想通貨市場全体に冷え込みをもたらした。その後の反発局面でも、ビットコインは依然として明確な上昇トレンドを取り戻せていない状況だ。

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