辛口分析で知られるビットコイン起業家のVinny Lingham氏が、投資アセットとしてではなく投機ツールとして、ビットコインについて語っている。現在のビットコイン・コミュニティが直面している不健康な状況を見ての発言のようだ。

 

まだ投資する段階ではない

 

Lingham氏はGyftやSilicon Capeの共同設立者であり、CivicKeyのCEOを務めている。彼はハードフォークに対しては反対の立場を取っていた。しかしこの時、Lingham氏は、ビットコインを取り巻く進行中の深刻な状況から鑑みて、結果的にビットコインは投機的なものであるとしている。"ビットコインは、スケーリング問題に関する衝突などから考えると投機的です。全く先行きが見えないですから"と、コインテレグラフのインタビューで同氏は語った。

 

「南アフリカのインターネット起業家やVCたちは、ビットコインがこのまま価格を維持して1,300ドルを突破すれば、ビットコインが唯一の投資資産になり得るとしています。しかしそれはすぐに起ることなのでしょうか。Linghamはそうは考えていません」

 

SegWitの導入

 

"ビットコイン価格がこのまま1,300ドルに到達するためには、SegWitの導入が必要です"と、同氏は説明し、ビットコインが投資資産としての次の段階へ進むためにはソフトフォークする必要があると考えているようだ。

 

SegWitが導入されなかった場合について、Lingham氏は次のように語った―

 

「実際のところ、どうなるかは私にもわかりません。ただの私の勘ですし、だからこそビットコインは完全に投機的なのです。現時点では、明示的なルートは一切存在しません」

 

ビットコイン価格の回復

 

2017年が始まり、先月にビットコインは苦い思いをし、そして立派に価格を上昇させた。Lingham氏を含む多くの専門家が、あまり多くのビットコインを持ちすぎるのは良くないとコミュニティにアドバイスしたこともあり、3月には920ドルまで価格が下落した。

気持ちのいいニュースとしては、辛辣なスケーリング問題に関する議論の最中にも関わらず、過去2週間で、暗号通貨の先駆者として、ビットコイン価格が再び復活を遂げたことである。現在、ビットコインは1,200ドルの価格を維持している。

 

アルトコイン勢はビットコインに鞍替え

 

コインテレグラフが、同氏にビットコインの価格回復に驚いたかどうか尋ねると、彼はこう答えている―

 

「イエスとノー、どちらもです。多くのアルトコイナーたちがビットコインに鞍替えしています…そして明らかにイーサリアムはビットコインと逆の動きをしています。これは問題です。イーサリアムが上がれば、ビットコインは下がり、逆もまた然りです」

 

スケーリング問題に関する論争は絶え間なく続き、今のところ明らかな解決策は見出されていない。SegWitが実装されるのか、それとも去年のイーサリアム・コミュニティに起こったことのように、BUがビットコイン・コミュニティの意見を尊重してビットコインを導いていくのかは、未だわからない。