主なポイント:

  • ビットコインは、米国がイスラエルとイランの紛争に直接関与したとの報道を受けて急落し、10万2,000ドルを下回った。

  • トレーダーらは、戦争関連の報道が過去にビットコイン価格の上昇要因となってきたと指摘している。

  • 注文板の流動性から、9万7,000ドル付近が局所的な下値となる可能性があるとの分析もある。

6月22日の週末終値に向け、ビットコイン(BTC)は今月の安値を更新するリスクが高まっている。地政学的緊張が仮想通貨市場のセンチメントを悪化させた形だ。

BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

戦争関連の報道がビットコインの追い風になる可能性も

コインテレグラフ・マーケッツ・プロとTradingViewのデータによると、BTC/USDは10万2,000ドルを下回り、ドナルド・トランプ米大統領がイランの核施設に対する攻撃を認めたことが影響した。

トランプ氏はTruth Socialに投稿したテレビ演説の中で、「イランは今こそ和平を選ばなければならない。さもなければ、さらなる攻撃がある」と述べた。

ウォール街の週明け取引に向けて大きな変動が予想される中、トレーダーたちはビットコインの下値形成の水準を模索し始めた。

著名トレーダーのCas Abbe氏は、「9万3,000~9万4,000ドルへの急落ののちに底打ちと反転が起こる」と指摘しつつ、「9万ドル前半に達する確率は20〜25%程度だ」と見ている。

BTC/USD 1-day chart. Source: Cas Abbe/X

Abbe氏や他のトレーダーは、4月にBTC/USDが米国による報復関税の発表を受けて下落した後、持続的な反発を開始し、過去最高値を更新したという出来事に言及した。

「2022年には、ウクライナ戦争が始まった後、弱気相場の最中にもかかわらず、BTCは35日間で42%上昇した」と、トレーダーのMerlijn氏は他の地政学的事例を挙げて続けた。

「今は2025年。戦争懸念が再燃している。しかしビットコインは10万ドルを超えており、我々はまだ強気相場の中にある。もし歴史が、さらに燃料を伴って繰り返されたら、何が起きるか?」

9万7,000ドルのBTC価格サポートが意識される

ただし週末の週足終値を目前に控えても、ビットコイン価格の勢いにはいまだ確信が見られず、重要な水準には届いていない。

「9万3,500ドルを上回る間はロングを維持するが、強気派が主導権を維持するには10万4,500ドルを守る必要がある」と、トレーダーのCrypto Tony氏はX上で当日語った。

BTC/USD 1-week chart. Source: Cointelegraph/TradingView

その結果、BTC/USDは5月初旬以来の最安週末終値となる可能性が高まっている。

以前コインテレグラフは、取引所の注文板データに基づき、約9万7,000ドル付近が最初の主要なサポート帯を形成する可能性があると報じていた。

モニタリングサービスCoinGlassのデータでも、記事執筆時点でこの水準が依然として重要な流動性領域となっていた。

BTC liquidation heatmap. Source: CoinGlass

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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