ビットコイン（BTC）は、6月12日のウォール街取引開始後、短期的なマクロ経済データの影響で一時的に変動があったものの、現状は安定している。

BTC/USD 1-hour candle chart on Bitstamp. Source: TradingView

市場は2021年以来の利上げ一時停止を予想

コインテレグラフ・マーケットプロとトレーディングビューによるデータによると、BTC/USDは2万6000ドル付近で推移し、大きな変動は見られない。ビットコインは、米国消費者物価指数（CPI）の発表を受けて一時2万6500ドルまで上昇したが、予想を下回る結果だった。

リスク資産にとっては良い兆候であるが、仮想通貨市場は今日も慎重な構えだ。今後数日間で米連邦準備制度理事会（FRB）からのコメントやマクロ経済データが発表されることが予想されている。

一方、6月14日に予定されている米連邦公開市場委員会（FOMC）の会合を受けて、FRBが利上げサイクルを一時停止するとの見方が強まっている。CMEグループのFedWatchツールによると、その確率は90％を超え、前日比で75％から上昇している。

Fed target rate probabilities chart. Source: CME Group

金融コメンテーターのテッドトークスマクロ氏は、「デフレ続行！」とコメントした。

「ヘッドラインCPIは前年比+4.0％で、3カ月の年率は+2.21％。FRBは長らく2.0％を目標にしている。一時停止だ」

トレーディングファームのQCPキャピタルは、今回は利上げがないという「市場のコンセンサスが正しい」との見方を示した。「高頻度指標に基づくと、米国のインフレは急速に下落しており、FOMCは今週の会合で1年以上ぶりの一時停止を実現できるだろう」と指摘した。

QCPは、今後のFOMC会合で異なる結果が出る可能性も認めており、タカ派の委員を「なだめる」ためだとしている。「さらに、この大規模な株価上昇による金融緩和が彼らの心に影響を与えると考えている」と付け加えた。

BTC価格のボラティリティは?

複数のコメンテーターは、週末のCMEビットコイン先物のギャップが埋まったことを指摘している。

エイトの創設者兼CEOのミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、2万5000ドルを潜在的な下落エントリーポイントとして挙げている。

また、バイナンスのオーダーブックからソーシャルメディアにアップロードされたデータによると、発表前の現物価格付近では流動性が乏しく、明確なサポートとレジスタンスが確認されている。

「強気派は、今日と明日の経済データからブーストを期待しており、レンジを取り戻すことを望んでいる」と、以前の投稿で述べられていた。