仮想通貨取引所FTXの破綻とそれに関連する動きが、利上げなどのマクロ経済イベントよりも、第4四半期を通してビットコインの価格の上昇と下落に寄与していたことが調査で明らかになった。
調査会社メサーリのリサーチアナリストであるサミ・カッサブ氏とクリス・コラー氏は、2月10日に発表した報告書で、FTXの破綻がビットコイン価格の25%の下落につながったことを明らかにした。
同報告書は、FF(フェデラルファンド)金利の変動がビットコイン価格に与えた影響は、75bp(ベーシスポイント)と50bpの利上げ後でさえも、FTXの破綻による影響に比べてはるかに小さかったことを強調した。
また、同四半期にビットコインが中央集権型取引所から自己管理型のセルフカストディウォレットに移されたことで、アクティブウォレット数が前四半期比で2%増加したことも同報告書は指摘している。
今週発表されたニューヨーク連邦準備銀行の調査報告書も同様の結論を出していた。
今月8日に発表された同調査報告書は、マクロ経済ニュースとビットコイン価格の相関性を調べたところ、インフレがビットコイン価格に有意な影響を与えた唯一の可変要素だったと述べた。
同報告書の著者でリサーチアナリストのジャンルカ・ベニグノ氏とカルロ・ローザ氏は、17年1月から22年12月までのデータを集め、マクロ経済ニュースがさまざまな資産クラスに与えた影響について調べた。
同調査は、インフレ、実体経済、金融政策ニュース、将来的な指標を含む多くのマクロ経済ニュースを考慮に入れていた。
著者たちは、調査結果に対する驚きを表明し、次のように結論付けた。
「重要な調査結果は、ビットコインが、他の米国の資産クラスとは異なり、金融ニュースやマクロ経済ニュースと統計的に相関していないことだ。ビットコインを完全に投機的な資産として解釈したとしても、割引率の予想外の変化は、原理上、ビットコイン価格に影響を与えるべきものであるため、この関連性の欠如は不可解だ」