ビットコインが史上最高値11万1970ドルの再突破に迫る中、アナリストらは「明確な材料が乏しく、大きく上抜ける可能性は限定的」との見方を示している。

ビットフィネックスのアナリストは6月9日のレポートで、「ビットコインは現在の最高値を明確に上回る強力なカタリストが欠けており、短期的な調整のリスクが高まりつつある」と指摘した。

分岐点に立つビットコイン保有者

アナリストによれば、ビットコイン(BTC)は現在、長期保有者が利益確定に動く可能性がある「転換点」にあり、「マクロ経済や構造的な上昇材料がなければ、短期調整にさらされやすい」としている。

特に注目されているのは、2025年第1四半期に保有を始め、8万ドル割れの下落を耐え抜いた投資家層の動向だ。「これらの保有者は、現在の価格帯で売却するかどうかという判断を迫られている」と述べた。

Cryptocurrencies, Bitcoin Price, Markets
Bitcoin’s price has increased 5.21% over the past 30 days. Source: CoinMarketCap

コインマーケットキャップのデータによると、ビットコインは2025年第1四半期に一時7万8513ドルまで下落したが、記事執筆時点では10万9519ドルまで回復しており、底値で購入した投資家は約39%の含み益を抱えていることになる。

アナリストは「長期保有者の決断が、今後の市場構造を左右する」とした上で、大量の売却が起これば「保ち合いが長期化する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

ビットコインが史上最高値を更新した後に保ち合いに入るのは、過去にも見られた現象だ。2024年3月には、ビットコインが7万3679ドルの過去最高値を記録したのち、約2万ドル幅のレンジ相場に突入した。この保ち合いは、同年11月の米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利するまで続いた。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

最高値到達で10億ドル超のショートが清算リスクに

ビットコインが史上最高値にあと2.2%と迫る一方で、コイングラスのデータによれば、現在約10億8000万ドル相当のショートポジションがあり、ビットコインが11万1970ドルに到達すれば、これらは強制清算される可能性がある。

Cryptocurrencies, Bitcoin Price, Markets
Approximately $1.08 billion in short positions are at risk of liquidation if Bitcoin reclaims its all-time high. Source: CoinGlass

市場は米金融政策とトランプ政権の動向に注目

現在、アナリストは米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利決定や、トランプ政権による関税政策の展開に注目している。

FRBは6月18日に次回の金利決定を予定しており、仮想通貨を含むリスク資産にとって重要なマクロ経済イベントとなる。利下げが行われれば、ビットコインには強気材料となる可能性がある

一方、Swyftxのチーフアナリストであるパヴ・フンダル氏はコインテレグラフの取材に対し、「ここ2カ月でビットコインに強気の賭けをしている投資家にとって最大のリスクは、米国の関税政策を巡る不透明なループが続くことだ」と語った。

「現在、強気派にとって最大の脅威は、何も変わらずに、関税の最終通告が延々と繰り返される状態に閉じ込められることだ」とフンダル氏は警告している。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

仮想通貨取引所ビットゲット(Bitget) が当選率100%の初夏抽選会&新規限定キャンペーンを開催!沖縄旅行、2000USDT、Laligaグッズ、20,000円のボーナス獲得のチャンス【PR】