仮想通貨ビットコイン(BTC)の価格は過去36時間ほどにわたり、6900~7100ドルのレンジで動いており、7200ドルが強固なレジスタンスとなっている。通常、BTCが一定期間、狭いレンジ内で保ち合いとなれば、次に来るのは大きな値動きだ。

出典: Coin360

現在、ビットコインが大幅な下落に対して脆弱であることを示す3つのテクニカルな兆候がある。下降トレンドラインからの逸脱、価格急落時と似たフラクタルの出現、そしてテザーの供給の拡大だ。

下降トレンドラインからの逸脱

テクニカル的には、ビットコインの価格が下降トレンドラインからリジェクトされた場合、それはより低いサポートレベルを再び試す展開となることを示唆している。今週初め、仮想通貨トレーダーのTrader XOは、近い将来、ビットコインの価格が下降トレンドラインに沿って、月初の価格を再び試す展開になるのではないかとコメントしている

Potential Bitcoin short-term price trend

出典: Trader XO ビットコインの短気価格トレンド

ビットコインの価格はトレンドラインから抜け出し、コインベースでは7200ドルまで上昇した。BTC価格は足元では、7100ドル前後で推移しており、ラインを上抜けている。

しかし、BTC価格が7000ドルのレジスタンスレベルで反落してしまえば、全体の動きは逸脱と見なされ、深刻な下降トレンドのサインとなるだろう。

6950ドルから7050ドルの領域は、過去2週間にわたってビットコインにとっては強固なレジスタンスゾーンだった。3月20日以来、過去9回にわたって、そこを突破しようと試みている。

2月の高値とフラクタル

2月時点、新型コロナウィルスのパンデミックの経済的影響がビットコイン価格の強い変数と見なされる前、BTCは10,500ドルまで上昇した。

価格は主要なレジスタンレベルでリジェクトされ、その後数日でBTCは7,700ドルへ急落し、最終的に3,650ドルまで下落した。

テクニカルアナリストのCrypto Capoによれば、現在のビットコイン価格のトレンドは、BTCを10,500ドルから3,000ドル台まで下落させたときのフラクタル全体と驚くほど似ているという。

Bitcoin 2019 chart and recent 1-hour chart comparison

出典: CryptoCapo ビットコインの日足チャートと直近の1時間チャートの比較

比較は日足チャートと1時間足チャートで行われているが、CryptoCapoは、チャートの構造が同じであれば、時間枠は関係なく同様の結果となる可能性が高いと主張している。

テザーの供給量増

過去2週間を通じて、テザー(USDT)の供給量が20億ドル以上増加した。時価総額は63億ドルを超えている。

取引所へのテザーの流入の顕著な上昇は、投資家がセーフティネットを求め、ステーブルコインの需要が急増していることを示唆している可能性がある。

仮想通貨市場の上に不確実性の影がみられる時代、テザーの供給の急増は、多くの投資家が3月12日以降のビットコインのV字型の回復に慎重で懐疑的であることを示唆している可能性がある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン