8月5日、ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークから4日も経たないうちにビットコイン価格が24時間で3,212ドルにまで大幅に値を上げ、新たに過去最高価格を更新した。
直近では、トランザクション展性とスケーリング問題の修正を行うSegregated Witness (SegWit)のアクティベーションにまつわる市場の楽観的傾向から3,000ドルを突破していたことは記憶に新しい。
しかしながら、それからほどなくして、大幅に1,900ドルにまで値を下げたビットコインは、本当にSegWitのアクティベートが行われるのか、BCHのハードフォークの可能性など不確実なことが多い中、2,500ドル周辺に落ち着いた。

 

トランザクション展性

先日コインテレグラフが伝えた通り、Blockstackの共同設立者であるライアン・シェイ氏などのSegWitに詳しい専門家たちは、ビットコインに関する現存する問題の多くを広くに渡り解決可能なSegWitは、”スイス・アーミーナイフ”的ソリューションだとして称賛していた。
特筆すべきは、BCHにおいては大きなセキュリティ問題であるトランザクション展性の問題の解決が可能な一方で、75%のスケーリング向上が可能な点だ。
コア開発者であるピーター・トッド氏はビットコインネットワークにおけるSegWitの必要性を8月5日のViaBTCの発表に呼応する形でTwitterで強調している。

 

Paxosの開発部プリンシパルであるジミー・ソング氏を始めとした様々な専門家や開発者たちが先週言及していたように、ビットコインの価格はSegWitのアクティベーションによって順調に上昇したように思える。マイナーコミュニティは既にBIP 91とBIP 141によるSegWitのアクティベーションに合意しており、オリジナルのSegWitプロポーザルも8月14日までにビットコインネットワーク上にアクティベートされる可能性が高い。
上記の日付が近づくにつれ、ビットコインの価格もまた続けて上昇し、過去最高額を更新することが予想される。

SegWitがビットコインの価格を押し上げる理由

何年もの間、ビットコインのスケーリング問題に関するマイナーコミュニティと開発者たちの間での議論は先延ばしにされていた。初めて提案されたのは、香港ラウンドテーブルコンセンサスでのイベントで、マイナーコミュニティと開発者たちの間で総意がまとまるまでそれから丸一年もかかっている。
さらに重要なのは、SegWitのアクティベーションは、創始者であるSatoshi Nakamoto氏が設定した1MBというブロックサイズで2009年からずっと運用されてきたビットコインにとって大きなマイルストーン的出来事であるということだ。
また、SegWitは、ライトニングネットワークのようなレイヤー2ソリューションのために必要なインフラを構築していく可能性もある。ライトニングネットワークや他のTumbleBitのようなソリューションが実装されることで、少額決済や以前には不可能だったアプリケーションなども可能になり、ビットコインネットワークのさらなるスケーリングへと繋がる可能性がある。
他のビットコイン価格に影響する要因としては、機関投資家の参入が挙げられる。
今週、米国最大のオプション取引所であるCBOEが、ビットコイン取引所であるGeminiと提携し、ビットコインの先物・オプション取引を統合すると発表した。

ビットコイン価格のトレンドに明るく、過去にも様々な価格予測を行ってきたヴィニー・リンガム氏などの予想や分析とは反対に、BCHへの分岐などを経験しつつも、ビットコイン価格の上昇トレンドはしばらく続いてくだろう。