ビットコイン(BTC)は2月28日の米国市場の取引開始時に8万3000ドルを再び突破した。アナリストらは3月の価格回復の可能性を指摘している。
BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
PCEデータの安心感でビットコインが反発
TradingViewのデータによると、BTC/USDはビットスタンプでの直近の数カ月ぶりの安値である7万8197ドルから5%以上反発した。
継続的な売り圧力は、最新の米国マクロ経済データが予想と一致したことで緩和された。
米連邦準備制度理事会(FRB)が最も重視するインフレ指標とされる1月の個人消費支出(PCE)指数は、月間0.3%、年間2.5%の伸びを記録した。
直近のインフレデータが予想を上回るケースが続いていたため、市場はこれを好感し、リスク資産と仮想通貨市場にプラスの影響を与えた。米ドル指数(DXY)は2週間ぶりの高値である107.45から下落を開始した。
米ドル指数(DXY)1時間チャート Source: Cointelegraph/TradingView
トレーディングリソースのコベイシレターは「PCEインフレの低下は2024年9月以来初めてだ」とXでコメントした。
また、PCEおよびコアPCEの結果を「建設的」と評価しつつ、「このデータ発表後も、利下げ期待はほぼ変わらない」と指摘した。
CMEグループのFedWatchツールによる最新データでは、3月のFOMC会合での利下げ確率はわずか5.5%となっている。
BTCはすでに金融引き締めを織り込み済みか
マクロ経済の影響について、グローバル・マクロ・インベスターのマクロリサーチ責任者であるジュリアン・ビッテル氏は、ビットコインにとってポジティブな見解を示した。
「現在の市場、特に仮想通貨市場で起きていることは、昨年第4四半期の金融引き締めの直接的な影響だ」と、ビッテル氏は2月28日のX投稿で述べた。
「金融引き締めが進むと流動性が枯渇し、経済のサプライズ要因が鈍化する。しかし、この影響は長くは続かないだろう」
BTC/USD vs. GMI Financial Conditions index % performance. Source: Julien Bittel/X
ビッテル氏は、市場に影響を与えている恐怖は長くは続かず、「すべては3月には反転する」と予測している。
「金融環境はここ2カ月で急速に緩和されている。ドルは下落し、債券利回りも下がり、原油価格も下落している。これらは、今後の経済データ回復の舞台を整えている。金融環境は常に先行指標であることを忘れてはならない」
また、同氏は「ビットコインが8万ドルで推移しているということは、すでに金融引き締めの影響が価格に反映されている」と述べた。
「市場のセンチメントは極端に弱気で、ビットコインのRSI(相対力指数)は23となっており、2023年8月以来の最も売られ過ぎた水準にある」
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。