各国の中銀関係者らが集う国際決済銀行(BIS)の研究部門トップを務めるヒュン・ソン・シン氏は8日、ブルームバーグとのインタビューの中でビットコインとその他の仮想通貨は本当の通貨のフリをしているだけだと述べた。中央銀行の関係者の間で仮想通貨に対する懐疑的な見方が根強くあることを裏付けることになった。

 シン氏はまず、「有効な取引は帳簿係がそれを有効と認めるかどうかによる」とビットコインのファイナリティ問題について触れ、帳簿係であるマイナーは横のつながりがあるので、理論的にはグループを結成してハードフォーク(分裂)に合意することは可能だと指摘。そうなったら、以前の「部門」で行われた決済は無効になるため、ブロックチェーン上で行われた取引が100%有効になることはなく、大きな災いをもたらしうると主張した。

 一方、ブロックチェーン技術そのものについてシン氏は、世界中で多く活用される可能性があると発言。ただ、仮想通貨との組み合わせについては懐疑的な見方を示した、

 「通貨のフリをした金融資産の属性がつくことによって、ブロックチェーン技術の発展が妨げられるだろう。守ることができない約束をすることになるからね」

 2月にBISのアウグスティン・カルステンス総支配人は、ビットコインが「バブル、ポンジスキーム(出資金詐欺)、環境的破壊の複合体」とし、各国の中央銀行総裁に仮想通貨に対する規制をより強化するよう求めたていた