ビットコイン（BTC）のマイナーは、過去最高額のBTCを集中型仮想通貨取引所に送金している。オンチェーン分析プラットフォームGlassnodeの報告によれば、取引所に送金されたマイナーの収益が過去最高を記録した。
Glassnodeによれば、過去1週間でマイナーから取引所へ1億2800万ドルが送金され、これは彼らの1日あたりの収益の315%に相当するという。
2021年の強気相場中にも、マイナーが利益を確定するため、マイナーから取引所に送られた収益が何度か増加した。また2022年末には市場がサイクルの底を迎えると共に、「降伏」による大量の売りが発生した。しかし、最新の増加はそれらを大きく上回るものだ。
通常、マイナーが取引所にBTCの利益を送金するときは、経費をカバーし利益を確定するための準備として行う。先週は、BTCが今年最高値の3万1185ドルを6月24日に記録したため、利益を確定するのに適した時期だった。
CryptoQuantの共同創設者でCEOのキ・ヨンジュ氏も、現在の価格収益率が「マイナーが売却するのに魅力的な価格」であるとの見解を示した。
しかし、ビットコインの価格にはまだ影響が出ておらず、現時点では3万ドルの閾値をわずかに上回る水準で推移している。それでも、現在の3万1000ドルの価格帯はBTCにとって大きなレジスタンスゾーンであり、4月中旬と6月末にそれを突破することに失敗した。もし強気派が新たな地盤を築けなければ、マイナーが売却開始とともに、今後の損失が予想される。
ビットコインのマイニング収益性は、BTC価格の上昇に伴い、過去1週間でわずかに上昇した。HashrateIndexによると、現在は1日あたり0.076ドル/TH/s（テラハッシュ/秒）である。
ビットコインの価格が今年初めから88%超上昇しているにもかかわらず、マイナーたちは厳しい課題に直面している。収益性は昨年7月以降で30%以上の下落となり、2021年の強気相場のピーク時からは80%以上下がっている。377EH/sのほぼ最高記録のハッシュレートとピークの難易度レベルを合わせると、ビットコインのマイナーたちは依然として困難な戦いを強いられている。ハッシュレートと難易度の増加、そしてエネルギー価格の高騰は、マイニングの収益性に下向きの圧力をかけている。これは、経費をカバーするために苦労して得たビットコインを売却するという、マイナーにとっては不愉快な決断を強いられることを意味する。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン