仮想通貨マイニング大手のマラソンデジタルが、「アンドゥーロ(Anduro)」と呼ばれる新たなマルチチェーンレイヤー2ネットワークを使ってビットコインのスケーリングに乗り出す。

同社は2月28日のブログ投稿で、ビットコインの開発と採用を加速するために設計されたこのスケーリングプラットフォームを開発中であることを明らかにした。アンドゥーロはアプリケーションレイヤーとして機能し、複数のサイドチェーンの作成を可能にすることでビットコインエコシステム内のイノベーションを促進するという。同社が開発するプログラム可能なレイヤー2は、「分散型ガバナンスを体系的に統合し、最も信頼性が高く開発者中心のビットコインレイヤー2になること」を目指している。

マラソンはアンドゥーロ開発を支援してきたが、コミュニティ主導で推進されることを意図していると付け加えた。同社は、アンドゥーロ上で最初の2つのサイドチェーン、「コーディネ(Coordine)」と「アリス(Alys)」にも取り組んでいると述べた。コーディネはオーディナルズ・コミュニティ向けのコスト効率の良いUTXO(未使用トランザクション出力)スタックを提供し、アリスは資産のトークン化に対応するイーサリアム互換のサイドチェーンだ。

アンドゥーロはマージマイニングと呼ばれる新しいシステムを利用し、マラソンのようなマイナーがビットコインのマイニングを続けながらアンドゥーロサイドチェーンのトランザクションから収益を得ることができるようになるという。

ライトペーパーによると、ガバナンスは「コレクティブ」と呼ばれるコンソーシアムによって行われる。ただし、信頼できる代替案の運用準備が整うと段階的に廃止される予定という。

Anduro network design. Source: Marathon Digital

マラソンの会長兼CEOであるフレッド・ティール氏は、アンドゥーロのようなプロジェクトを含むビットコインエコシステムのイノベーションを支援することに強い関心を持っていると語った。

「市場がどのアイデアが成功するかを決めるために、テストし、反復し、そして続けることが重要だと考えている」と彼は付け加えた。「アンドゥーロはビットコイン保有者とアプリケーション開発者に価値を提供し、ビットコインのプルーフ・オブ・ワークの長期的な持続可能性を強化するためのアイデアの一つだ」。

ライトペーパーによれば、同社の次のステップは、ビットコイン採用の最前線で投資する「影響力のあるパートナー」を募集することだという。

オーディナルズやBRC-20のハイプを受けて、ビットコインのレイヤー2のナラティブが2023年に勢いを増した。その結果、ビットコインをスケーリングするプロジェクトやスマートコントラクトのような機能を提供するトークンは、BTCが数年ぶりの高値に達した後、ここ数週間で急騰している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン