ビットコイン(BTC)は史上最高値圏にありながらも、「氷のように冷え切っている」という。ビットコインの典型的な価格指標であるマイヤー・マルチプルによれば、ビットコインはまだ過熱には程遠く、18万ドルまで上昇の余地がある。

「売られすぎ」に近い水準にとどまる

今回の強気相場では、これまでのようなブローオフトップ(急騰後の急落)が見られないため、市場参加者は転換点を探るうえでオンチェーン指標に注目している。

中でもマイヤー・マルチプルは、強気相場の継続を示唆する主要指標のひとつだ。

「ビットコインは史上最高値にあるが、マイヤー・マルチプルは氷のように冷えている」と、著名経済学者にちなんだXアカウント名を持つ仮想通貨クオンツアナリストのフランク・A・フェッター氏が今週コメントした

マイヤー・マルチプルは、ビットコイン価格を200日間移動平均線(MA)で割った値であり、その比率が2.4を超えると「買われすぎ」と見なされる。

現在の数値は1.16で、一般的に弱気トレンドへの転換を示す「売られすぎ」となる0.8付近の水準に近い。

フェッター氏はオンチェーンデータ分析サイトCheckonchainのチャートを引用し、「このセットアップは良い」と述べた。チャートによると、BTC/USDがマイヤー・マルチプル2.4に達するためには18万ドルへの上昇が必要だという。

ビットコインのマイヤー・マルチプル Source: @FrankAFetter/X

なお、今回の強気サイクルではマイヤー・マルチプルの上昇は比較的穏やかで、2024年3月に1.84を記録したのがピークだった。当時ビットコインは約7万2000ドルで取引されていた

ビットコインのマイヤー・マルチプル Source: Glassnode

2025年7月にもアナリストのアクセル・アドラー・ジュニア氏が、マイヤー・マルチプルが1.1前後で推移している点を「新たな上昇のための良質な燃料タンク」と表現している

ブレイクアウトは一時停止

次に訪れる大きな価格変動のタイミングについては、依然として議論が分かれている。

一部の見方では、年末までに明確なブレイクアウトが起きなければ、この強気相場全体が危機に陥る可能性があると指摘されている

一方、短期的な視点では、10月のビットコイン価格は不安定な値動きが続くとの見方が多い。10月は歴史的に最も好調な月とされるが、短期的には10%程度の下落が生じ、11万4000ドルあるいはそれ以下のレンジ下限まで下押しする可能性も残されている

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

ビットコイン価格, マーケット, Market analysis