ビットコイン(BTC)価格が4月に7万4450ドルから9万4900ドルまで急騰したことで、長期保有者(LTH)の総資産額が大きく増加した。

クリプトクオントのデータによれば、4月1日から23日にかけて、長期保有者の実現時価総額は3450億ドルから3710億ドルへと260億ドル増加した。この急増は、今年初めからの調整局面を乗り越えた長期保有者が報われたことを示している。
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BTC LTH realized cap drawdown chart. Source: CryptoQuant

ビットコインは1月から4月初旬にかけて30%超の調整を経験しており、これは過去の市場サイクルでも繰り返されてきたパターンだ。2013年、2017年、2021年のサイクルを振り返ると、ビットコインが史上最高値を更新した後には調整が発生し、その過程で短期筋が振り落とされる傾向があった。

今回の調整局面においても、長期保有者の信念は揺るがなかった。米国株が貿易戦争の影響で下落圧力を受ける中、ビットコインが伝統的市場と乖離する動きを強めたことが投資対象としての魅力を高めた。株式が下落する一方で、金価格は過去最高の3500ドルに達し、相関性の低い資産への需要が高まったことも、ビットコインの「価値の保存手段」としての評価を後押ししたとみられる。

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BTC: STH realized cap drawdown. Source: CryptoQuant

一方、短期保有者(STH)は今週になってようやく再び利益を得ている。ただし、4月の調整局面では多くが損切りを余儀なくされ、ストレスのかかる市場環境下でポジションを乗り換える傾向が改めて浮き彫りになった。この行動は2024年を通じて何度も見られ、調整局面で短期保有者が長期保有者にBTCを売却するという流れが繰り返されている。

現在、さまざまなアドレスに保有されるビットコインのうち、1670万BTCが「利益状態」にある。これは「楽観的ゾーン」の閾値を上回っており、市場の強気継続を示すとされる。

2016年、2020年、2024年の過去データからは、ビットコインがこの水準を安定して維持すると、数カ月内に新たな強気相場へと突入する傾向が確認されている。

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Bitcoin Supply in Profit Market Bands. Source: CryptoQuant
 

9万5000ドルから9万ドルの新たな保ち合い形成か

ビットコインが9万4900ドルに到達した後、相場は一時的な冷却期間に入るとの見方が強まっている。MNキャピタルの創業者マイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、「大きなブレイクアウトの後に一時的な調整が入るのは自然な流れ」と指摘している

仮想通貨トレーダーのジェレ氏も、週足レベルのレジスタンスを一度テストしたことを挙げ、「一時的に9万1000ドル程度まで下落する可能性がある」と見ている

テクニカル的には、ビットコインは今後数日間、9万4900ドルから8万8750ドルのレンジで保ち合いを形成すると予想されている。直近の値動きからは、ブレイクアウト後の冷却期間が続く展開が示唆される。4時間足チャートでは、9万500ドル〜8万8750ドルのゾーンが重要なサポート帯であり、「フェアバリューギャップ」として注目されている。

このレンジを下抜けた場合、短期的な強気構造は否定され、次なるサポート帯である8万4000ドル〜8万6300ドルへの下落が視野に入る。この価格帯は、以前ビットコインが1週間にわたり保ち合いを続けた後、強い上昇を見せた起点となったエリアだ。

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Bitcoin 4-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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