ユーロ圏のインフレ率が8月に4年ぶりのマイナスとなり、米ドルが不穏な空気を見せる中で、仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は順調に288,000ドルに向かっているようだ。

ビットコインの価格分析モデル「ストック・フローモデル(S2F)」提唱者のPlanB氏は1日のツイートで、ビットコインが8月に予想通りの動きを見せたと主張した。

BTC価格:1ヶ月ごとに「red dot」点灯

PlanB氏は5月のビットコイン半減期後の月次の終値をツイートし、それぞれの終値がS2Fクロスアセットモデル(S2FX)の予想通りとなっていると指摘。以下のように順調さを強調した。

「ビットコインは...時計のように正確に」

ビットコインは5月以来、S2Fチャート上で4回目の「red dot(赤い点)」が点灯。過去2回の半減期後のパフォーマンスから推測すると、価格の大幅な上昇までにあと数ヶ月ほどとなっている。

S2FXによると、現在のサイクルはこれまでと同様に4年間続くとされ、ビットコイン価格は288,000ドルに到達すると予想される。さらに最高値としてはPlanB氏はさらに上昇する可能性も指摘している。

ビットコインは2日に一時12000ドルのレジスタンスを突破しようとしたが、足元では11900ドル付近で停滞している。

Bitcoin S2FX model as of Sept. 1, 2020

(出典:PlanB「2020年9月1日時点のビットコインS2FXモデル」)

ウィンクルボス兄弟、米ドルは「シットコイン(草コイン)になる」

中央銀行のネガティブなニュースが流れる中で、ビットコインの上昇が起きているのが最近の現象だ。直近ではFRBに焦点が当たっていたが、今回は欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏のインフレ率が2016年以来のマイナスとなったことに注目が集まっている

コメンテーターのホルガー・ズシャピッツ氏が指摘するように、ECBがインフレ目的で行った大規模な財政支援にも関わらず、8月のインフレ率はマイナスに落ち込んでしまった。

「アウチ!ECBはマネープリンティングによるインフレ促進に失敗してしまったようだ」

Eurozone consumer price index (CPI) inflation and ECB balance sheet chart

(出典:ホルガー・ズシャピッツ)

米国ではこのほど発表された米連邦準備制度理事会(FRB)が、目標インフレ率を「一時的に2%以上とする」との発表を受けて、ドル安が進んでいる。

ビットコインと金の支持者はこうした政策によって恩恵を受けている一方で、米ドルは価値の下落が進んでいるため、エクスポージャーを放棄するよう訴える声も出ている。

仮想通貨取引所ジェミナイの共同創業者である、タイラー・ウィンクルボス氏は次のように発言した。

「米ドルは想像以上に早くシットコイン(草コイン)になりつつある。ビットコインは救いの要となるだろう」

既報の通り、ウォーレン・バフェット氏が金採掘企業の株を購入し、その後に日本商社株を購入したことが米ドルへの不信感をさらに高めている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン