3月10日の仮想通貨市場は前日の急落の後もほとんどの銘柄で下落となっている。ビットコイン(BTC)は足元では小幅な値動きとなったが、依然として7000ドル台で推移しており、8000ドルへの回復ができていない状況だ。

ビットコイン(BTC)は前日比で0.5%下落し、足元では7880ドル前後で取引されている。XRPは0.6%下落の0.20ドル台で推移している。

イーサ(ETH)は約3%下落し、198ドル前後で取引されている。日中に200ドル台まで回復したが、再び200ドルを割る展開となっている。

出典:Coin360 18:35時点

「ビットコインはシットコイン」 勢い付く批判派

ビットコインはどのような資産なのかを巡り、仮想通貨コミュニティや仮想通貨批判派の中で意見が分かれている。

2008年の経済危機を予測したと知られる経済学者のヌリエル・ルビーニ教授は9日、ビットコインが急落したことを受け、「ビットコインはリスク資産に対する優良なヘッジ手段ではない」とツイート。経済危機の中で「デジタルゴールド」として、安全な避難場所になるというストーリーが否定されてしまったと主張している。

ルビーニ氏は、リスクオフの動きの中で急落したビットコインは「シットコインだ」と痛烈に批判している。

ビットコイン批判派として知られるピーター・シフ氏も、BTC急落について「ビットコインは引導を渡された」と述べている。さらにシフ氏は、ビットコインは「デジタルゴール」と紹介していたCNBCが、今回の急落ではビットコインに触れていないと皮肉るツイートも投稿している。

「株式よりも下落幅少ない」

一方、仮想通貨支持者の中で新しい主張として浮上してきたのは、「ビットコインはほかの資産とは相関が無い資産である」というストーリーだ。

ビットワイズのハンター・ホースレイCEOは、ビットコインは米株式相場と比較して、下げ幅は小さく収まっていると指摘。ビットコインがほかの資産とは「無相関」の資産であると主張している。

ホースレイ氏は、過去の価格変動をもとに、米株式指数S&P500が3月9日に7.6%下落したならば、ビットコインは41%の下落になるはずと指摘。ただ実際には、ビットコインは5%程度下落となっており、ビットコインは「(ほかの資産と)無相関である」と述べている。

ビットコインは「無相関」という主張は、2月末に米株式が急落したときにも、仮想通貨支持者の中から出てきたストーリーだ。

仮想通貨トレーダーのルーク・マーティン氏や、宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック会長であるチャマス・パリハピティヤ氏が同様の主張を展開していた

「長期的にはヘッジ手段」

米起業家兼投資家のナヴァル・ラヴィカント氏は、「ビットコインはブラックスワンに対して一般的なヘッジ手段ではない」が、依然としてリスクオン資産であると述べている

ラヴィカント氏は、ビットコインは「ウィルスに対しては有効ではなくとも、中央銀行の紙幣印刷に対してヘッジ手段である」と主張している。