ビットコインの長期保有者(ホドラー)は、まだまだ強気で、保有しているビットコインを売却するつもりはないようだ。

仮想通貨データ分析を手がけるグラスノードのオンチェーンデータによると、「2年以上前に動かされたビットコインの割合」が3ヶ月ぶりの低い値である45.364%に達した。

BTC Percent Supply Last Active 2+ Years. Source: Glassnode

この傾向は2018年年初にあった前回の強気サイクルの高値付近で購入したビットコイン保有者が、さらに上昇すると見て、保有傾向を高めていることを示している。

上図の2020年12月の急騰は、2万ドル前後の損益分岐点(2017年末〜2018年初にあった前回の最高値付近)で売却した可能性を示している。

なぜ低いボラティリティは強気と言えるのか

ビットコインは通常、長期保有者が急激に売り始めた時に、価格の天井を迎えたり、大きな調整局面が訪れたりする。

これまでの強気サイクルでは、ホドラーが利益確定の売りによって50%もの下落につながり、仮想通貨市場全体が短期間で大きく引き戻された。

今回の傾向はホドラーが大量のビットコインを売却する傾向にないということを示しており、価格の天井はまだ先であることがわかる。

ビットコインが55000ドル前後で安定することは、2つの理由から楽観的だ。

一つはビットコインはいくつかのネガティブ要素があっても強気構造を維持していること。二つ目は史上最高値のやや下値で固まっていることがテクニカル的にポジティブだからだ。

過去2週間に渡り、ビットコインは大きな調整の可能性がある脅威に直面した。米国債利回りの急上昇だ。米国債利回りの上昇は、ハイテク株の下落につながり、リスクオン資産全てに悪影響を与える。

さらに、クリプトクオントのジュ・ギオンCEOによると、マイナーはここ数ヶ月間、ビットコインを大量に保有している。マイナーが売却したビットコインの量はビットコインの下落に比べると明らかに少なかった。これはマイナー自身が今後の価格上昇を見込んでいるためだろう。

Total BTC moving from all miners' wallets. Source: CryptoQuant

ギヨン氏は3月17日にもビットコインの上昇トレンドを停滞させる要因として、3つの要因を指摘している。

「1.スポット取引所のステーブルコインの保有量に比べ、米ドルでのビットコインの保有量が多すぎること。2.ビットコインの時価総額が大きすぎて、ステーブルコインの時価総額を利用して上昇することができない。3.大きな米ドルの流入がない」

ただ、上記のような要因があるにも関わらず、ビットコインは5万ドル以下の下落を回避し、順調に推移している。

底は打ったのか

RektCapitalなど、著名なトレーダーは、今後2、3日でビットコインの底値が形成される可能性が高いと述べている。

Bitcoin higher low formation. Source: Rekt Capital, TradingView.com

底値形成を予測するのは難しいが、もしビットコインが数日間55000ドル以上で推移し、ハイアーロウを形成すれば、新たな上昇局面につながるという。

ビットコイン価格が55000ドル以上を維持している限り、ハイアーロウの形成は可能だろう。
 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン