仮想通貨投資会社コインシェアーズの最新レポートによると、機関投資家向けビットコイン投資商品は、過去7日間で5億9800万ドルの流入を記録した。仮想通貨上場投資信託(ETP)は4週連続で流入超過となった。

2月26日に発表された「デジタルアセットファンドフローウィークリー」レポートによると、今年に入ってからの流入額は57億ドルを超え、機関投資家はビットコイン現物ETFを通じてビットコインへのエクスポージャーを拡大している。

コインシェアーズのジェームズ・バターフィル研究責任者は次のように述べている。

週の初めには、運用資産総額(AuM)が683億ドルに達し、2021年12月以来の高水準となった。しかし、2021年11月に記録した870億ドルの史上最高値にはまだ到達していない。

ビットコインとビットコインETFに注目

今回の流入は、ビットコイン現物ETFに端を発した市場回復による活発な買いによって実現した。2月19日から23日までの間に、機関投資家はブラックロック、ARKインベスト、グレイスケール、ビットワイズ、プロシェアーズ、フィデリティ、21シェアーズなどが提供する仮想通貨投資商品に約5億9800万ドルを投資したが、先週の終盤には流入ペースは一時的に減速した。

Capital flows for crypto investment firms. Source: CoinShares

ビットコイン(BTC)ファンドは5億7000万ドルと、すべての仮想通貨の中で最も多くの流入を記録し、全体の95%を占めた。イーサリアム(ETH)は1680万ドルの流入で2番目となった。ライトコイン(LTC)とリップル(XRP)のETPはそれぞれ100万ドルと110万ドルの流入を記録した。

コインシェアーズによると、ソラナ(SOL)は「最近のサービス停止」が原因で300万ドルの流出を記録した。サービス停止が市場心理に影響を与えた可能性がある。

Capital flows for crypto investment products. Source: CoinShares

米国で6億950万ドルの流入

仮想通貨投資商品への流入増加と同様に、コインシェアーズは、米国で新しいビットコイン現物ETF発行者への大量の流入を記録したことを指摘している。グレイスケールからの4億3600万ドルの流出にもかかわらず、米国拠点の仮想通貨商品への流入額は6億950万ドルとなった。

ブラジルとスイスはそれぞれ820万ドルと210万ドルの小幅な流入を記録した一方、カナダ市場は仮想通貨投資商品からの最大の流出を記録し、1780万ドルの流出となった。次いでスウェーデンが800万ドルの流出となった。

ビットコイン価格は54000ドルを超える

ビットコイン商品への流入増加は、ビットコイン価格が53,000ドルを超えた後、50,500ドルまでわずかに調整されたことと一致している。記事執筆時点では、BTCはこの水準を超えて54,650ドルまで上昇し、今年に入ってからの高値を更新した。

ビットコインが54,650ドルを超えて取引されたのは、2年以上前の2021年12月3日以来のことである。当時は57,872ドルの高値から下落し、2022年11月には16,600ドルまで下落していた。