トレーダーは2020年3月の相場暴落以降のどの時点よりも数多くのコインを取引所に送金したが、ビットコイン(BTC)は「よく持ちこたえた」ようだ。
オンチェーン分析のCryptoQuantとGlassnodeのデータによれば、取引所へのビットコインへの流入額は5月13日に1年ぶりの高値を記録した。
約3万BTCが取引所に殺到
ビットコインは今週、複数のニュースがトリガーとなって弱気に転じ、強い売り圧力にさらされた。
イーロン・マスクが率いるテスラがBTC決済を停止した後、米規制当局による大手取引所バイナンス調査の報道が続き、ビットコインは一時4万6000ドル台まで下落した。
それでも、ビットコインホドラーが下落をカバーしたことで、記事執筆時点で5万ドル直前まで回復している。
トレーダーの行動を追跡するデータをみると、実際にビットコインは嵐をかなりうまく乗り切ったことを示唆している。
13日の取引所への流入は3万BTC(約14.7億ドル)に達した。BTCの値動きが激しい中、わずか10分間でBTCの清算は合計で2億ドルを記録した。

アナリストのウィリアム・クレメンテ氏は14日、「昨日は昨年3月の急落以来で最大の資金流入日だった」と指摘し、次のように述べている。
「このことと10分間で2億ドルの清算があったことを考えると、BTCは非常にうまく持ちこたえた」
クジラへの警戒感
取引所へのBTC流入は、トレーダーがBTCを急いで処分したいという願望を反映している。一部の人は、保有している仮想通貨を現金に換えるのではなく、ステーブルコインでポジションを持ち、価格が安定したら買い戻す。そのため、パニック状態の投資家が「押し目買いをする」投資家に加わるため、流出はすぐに増加し始める可能性がある。
しかし、CryptoQuantのキ・ヨンジュCEOは、弱気フェーズがまだ完全に終わっていないサインとして、クジラが通常よりも多くのコインを取引所に送金している点を強調した。
「あなたがデリバティブトレーダーなら、短期的に注意するべきだ。(比較すると)クジラは取引所にBTCを預けている」と、同氏はツイッターで指摘している。
