上場企業のビットコイン保有額を調査している。テクノロジー研究者のケビン・ルーク氏によると、上場企業のビットコイン保有量が12ヶ月間で5倍に増加していることが分かった。

ルーク氏によると、2019年に上場企業が保有していたのは2万BTCほどだったが、この数字が12ヶ月で105837BTCまで増加したという。

「現在、19の上場企業が105837BTCを保有しており、これは36億ドル以上の価値となっている」

Bitcoin holdings of public companies. Source: Kevin Rooke

ビットコインを最も多く保有しているのはマイクロストラテジーで、70784BTC。2位はギャラクシー・デジタルの16400BTCだ。一方で上場企業で時価総額が最大であるスクエア社が保有している額は約4700BTCだ。

機関投資家のビットコインはなぜ増加?

上場企業が1年間で急速にビットコインを買い増していることは機関投資家の需要が急速に高まっていることが関係している。

Grayscale BTC holdings vs. BTC price. Source: Bybt.com

グレイスケールの投資信託とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物市場は、主に機関投資家を対象としており、2020年半ばから、取引量が急増している。

機関投資家がビットコインへの投資を拡大しているのは、ビットコインが金(ゴールド)を代替する資産となるという期待からだ。

インフレが進み、中央銀行から大量の紙幣が刷られる中で、投資家はポートフォリオのヘッジ手段を探している。仮想通貨取引所ジェミナイ共同創業者のキャメロン・ウィンクルボス氏は次のように指摘する。

「インフラはあなたの人生を奪ってしまう。アルゼンチン・ペソは過去3年間で米ドルに対して50%下落した。そして、これは米ドルの現在の状態を考えると、多くのことを物語っている。ビットコインへの関心が急上昇しているのも頷ける」

ジョー・バイデン大統領が景気刺激策を推し進め、金融緩和を進めれば、安全資産であるビットコインと金の上昇につながることが期待されている。

アナリストは強気を予想

マクロ環境がビットコインにとって有利な環境であるにも関わらず、短期的にはアナリストは慎重姿勢をとっている人も多い。

しかし、著名な仮想通貨トレーダーであるアレックス・クルーガー氏は強気姿勢を崩していない。

「BTCは、29000〜35000ドルのレンジで立ち往生している。これは強気でも弱気にでも傾く可能性がある。私が強気に傾くと考える主な理由は金利だ。金利の低下に反映されるように、高揚感がシステムを劇的に洗い流している。これは強気市場だ。トレーダーは弱気になっているが、私は強気だ。

さらに市場のセンチメントが改善してきているという指摘も出ている。

Weekly BTC perpetual futures funding rates. Source: Digital Assets Data

デリバティブ市場がリセットされ、先物市場は混み合っていないことが理由だ。クルーガー氏は次のように指摘する。

「資金調達率は横ばいかマイナスになっている、永久先物は現物を下回って取引されている。永久先物対スポットがこれほど長くマイナスになったのは1月の選挙前以来だ。四半期ベーシス25〜28%だったのが、7〜10%に低下している、これは健全なクールダウンだ」