ビットコイン(BTC)ネットワークのハッシュレートは急落し、2020年のピークから約45%低下した。
Blockchain.comのデータによると、ネットワークのハッシュレートは3月1日の毎秒136.2エクサハッシュ(EH/s)から、3月26日には75.7EH/sまで低下した。
別のブロックチェーン分析サイトCoin.danceでも同様のパターンを示している。このサイトでは、2020年のピークである3月5日の150EH/sから、105.6EH/sまで低下している。この場合は29%の低下だ。
出典: blockchain.com ビットコインのハッシュレート(2019年3月27日~2020年3月26日)
ハッシュレートと難易度調整
ビットコインのハッシュレートは、そのネットワークが1秒間に実行できる計算数を示すパラメータだ。
ハッシュレートが高いほど、新しいブロックを検証するためのマイナー間の競争が激しくなる。また51%攻撃を行うためのリソースが増え、ネットワークのセキュリティを強化することになる。
ビットコインネットワークの採掘難易度は26日、15.95%低下した。ビットコインの採掘難易度は約2週間ごとに調整されるように設定されている。
これはネットワークのハッシュレートと密接な関係がある。通常、ネットワークに参加するマイニングパワーのレベルが低ければ、難易度は低下する。ネットワークへの参加が高ければ、逆に難易度は高まり、カウンターバランス・メカニズムとして機能する。
過去の難易度調整で下方調整したのは、ビットコインの価格が約9,900ドルだった今年の2月25日だった。そのわずか3日後、BTCは8,800ドルまで下落。3月14日には4,800ドルまで下落した。
ビットコイン価格、ハッシュレート、そして難易度との関係は、一部のアナリストが「マイナーの降参サイクル(capitulation cycle)」と呼ぶトレンドを歴史的に生み出してきた。
理論的には、ビットコインの価格が高く、マイニングで利益を得るができれば、ハッシュレートと難易度は少しづつ上昇することになる。しかし一定の閾値に達すれば、マイナーは所有するビットコインを市場に放出し、市場でのビットコインの供給は増加することになる。
現在のように、一部のマイナーが完全にマイニングを続ける余裕がない「降参ポイント」に達すれば、ハッシュレートは低下する。その後、ネットワークの難易度はリセットされることになる。
BTC.comの推定によると、14日間に予定されている難易度調整では、難易度がさらに16%低下するとみられている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン