仮想通貨投資企業のコインシェアーズは12日、2019年の仮想通貨市場に関するレポートを発表した。その中で、投資対象としてのビットコインが、ほかの資産よりも高いパフォーマンスを示していると分析している。

出典:Coinshares "Crypto Trends Report"

過去5年間で、ビットコインに投資した場合のリターンは115%だ。債券(6%)やヘッジファンド(11%)、不動産(11%)、ベンチャーキャピタル(16%)など、ほかの投資に比べても非常に高いパフォーマンスだ。

ビットコインの「制度化」進む

またレポートの中で、「ビットコインの制度化」が進み、普及に向けたエコシステムが整いつつあるとの認識を示した。さらに将来的にはビットコインを使った金融サービスの展開があるだろうと予測する。

出典:Coinshares "Crypto Trends Report"

コインシェアは13~17年の間は、ウォレットや取引所を使った取引やペイメントの導入など「消費としてのビットコイン(Consumer Bitcoin)」の段階だったと定義。17~22年の間は「制度化されたビットコイン(Insutitutional Bitcoi)」だと主張している。

企業が運営する仮想通貨取引所のほか、カストディ事業者の登場、レンディングマーケットやデリバティブマーケットが整備され始めている点に注目している。

コインシェアによれば、この段階から次は「銀行としてのビットコイン(Banking On Bitcoin)」に進んでいく。クロスボーダーペイメントや保険、投資商品の整備などが進むだろうと予測する。

ファンド化する仮想通貨発行体

また分析の中では、仮想通貨を発行するファンデーションがファンド化しているとも指摘している。

出典:Coinshares "Crypto Trends Report"

分析の中では、リップルの投資部門であるXpringやEOS VC、テゾス財団といったものを例に挙げているレポートの執筆者であるデミロース氏は「トークンを使用してオープンソースプロトコル開発を実行させるのは、非効率に見えるが…」とコメントしている