米国の資産管理会社ウィルシャー・フェニックス(Wilshire Phoenix)が14日に発表したレポートによると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物商品はビットコイン価格に大きな影響を与えていると指摘している。

ウィルシャー・フェニックスの調査結果は、「CMEの現金決済ビットコイン先物は、スポット市場よりも価格発見に貢献していることを示している」としている。

「先物市場が優れているということは、取引所会場への信頼や待ち時間が少ないなどの多くの理由から、そのような市場で取引を行うトレーダーの強固な基盤が存在することを示唆していることだ」

価格発見とは実際にビットコインが市場でどのような評価を受けているかを示すものだ。ウィルシャーの報告書は、現物受け渡しの仮想通貨取引所のビットコインよりも、CMEの商品がビットコイン価格に影響を与えていることが示された。

CMEは2017年にビットコイン先物取引を開始した。これはCME独自のCFビットコイン参照レート(BRR)とビットコイン・リアルタイム・インデックス(RTI)に基づいている。

CMEのビットコイン先物で週末に発生する価格差である「CMEギャップ」はトレーダーにとって、価格を分析する主要な指標の一つとなっている。このギャップは、米国の金融機関が毎週金曜日から日曜日が休場となっている間も、365日動いているビットコインの価格が動くことで、価格差が生まれることをいう。これまでの傾向から、この価格差は埋まるように価格が動くことで知られる。

ウィルシャー・フェニックスのレポートで強調されているもう一点は、CMEでは、BRRに含まれるどの取引所よりも総取引量が多いことだ。レポートでは「これが先物市場内での価格発見を容易にしている」と指摘。さらにCMEビットコイン先物の参加者は平均的に大きなポジションを取引しているという。

「市場における少額取引が相対的に少ないことは、価格発見の目的では影響がないことが統計的にわかっている。CME先物市場の平均取引規模は、主要取引所と比較して価格発見の面で優位に立っているのだ」

レポートでは、他の主要な先物市場が他のアセットクラスのスポット価格に影響を与えていることも指摘している。

ウィルシャー・フェニックスのパートナーでレポートの共著者であるアレクサンダー・チャン氏はコインテレグラフに対し、「ビットコイン先物のオープンポジションを保有している機関は85社あり、これはスイスフラン、米ドルインデックス、フェデラル・ファンドなどの主要通貨市場の他のCME先物と比較しても同程度の数だ」と語った。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン