ビットコインにおけるSegWit2Xのハードフォークに関する議論は、ソーシャルメディアや業界内の専門家の間で益々加熱している。

その多くが、前回SegWitが無事にアクティベートされた後にニューヨーク・アグリーメントの棄却を求めており、他方ではビットコインの変革においてSegWit2Xののハードフォークは不可欠だとする人もいる。

今日、2つの主要取引所がそれぞれの立ち位置についてステートメントを発表している。どちらの陣営もユーザーに対するサポートを提供している以上、顧客に対してビットコインとどう関わるべきかアドバイスを行いつつも中道を保つ必要があるだろう。

 

Coinbaseの場合

 

業界最大手取引所の一つであり、最も急速に成長しつつあるCoinbaseは、Twitter上で自社の見解を発表している。

ステートメントには、現在ビットコインをCoinbaseのウォレット上で保管している利用者に対するガイダンスが記載されている。前回のビットコインキャッシュのハードフォークの際とは異なり、幾ばくか利用できるまで期間は空くものの、今回はハードフォーク後どちらも取引所で取引が可能になるよう務めるとしている。また、Coinbaseが両チェーンの安全を確保できるまでハードフォーク後すぐには取引が行えないことがしっかりと記載されていることがわかる。

 

Bitfinexの場合

 

業界最大の取引所であるBitfinexも、自社のSegWit2Xに関する詳細なスタンスを明示している。Coinbaseと同じように、Bitfinexもまた今回のハードフォークに対して強硬姿勢を取るようなことはしていない。どちらのチェーンがハッシュパワーの過半数を得るかに関わらず、新たにハードフォークする通貨をB2Xと呼称することも明示している。

また、チェーンの安定性が証明されるまでトランザクションへのリプレイ攻撃を防ぐために両チェーン上における取引を中止するとしたCoinbaseと似たようなポリシーを取ることも明示している―

 

SegWit2X上におけるリプレイ攻撃への強力な防御手段が欠けているため、弊社はお客様の資産を守るために幾つか対策を講じる必要があります。現段階では、以下の2点が可能になるまで、BTC、B2Xにおける全ての入出金の停止を予定しております―

  1. 両チェーン上におけるリプレイ攻撃が不可能であると確認できるまでの、お客様のビットコインの「無効化」、及び、
  2. 両チェーン上にトランザクションが反映された際に適切に口座に入金できるかの確認。本処理につきましては、最低24時間の作業を予定しておりますが、前後する可能性も御座いますのでご了承下さい。ハードフォーク後、進捗状況に関しましては、逐一ご報告いたします

 

ピア・ツー・ピアによる資産管理という意味では、伝統的な取引市場における自己資本、スピンオフ、及び配当と似たようなアプローチをBitfinexは取るようだ。こうしたシステムを補強する方法論は複雑だが、利用者や市場全体によっては、最もセキュアなものだろう。同社はさらに次のように記載している―

貸し手がB2Xを受け取らない場合を考えてみて下さい。ハードフォークが差し迫ったものと考えられる場合、貸し手側は貸すことを辞める方向に傾くでしょう。結果として、レンディングにおける流動性は完全に途絶えてしまいます。それにより、ビットコインによるローンが失効、及び、更新がされなくなってしまった場合、弊社Bitfinexは資金ポジションにおける部分的精算の義務を負うことになります

 

今後の動き

 

両社とも、ハードフォークの日が近づくに連れて情報はさらに明らかになるだろうとしており、詳細は追ってアップデートするとしている。

ハードフォークに関しては、両社ともに肯定、否定とも取れない中立の姿勢を示している一方、全体的な趣意としては、ビットコイン愛好家の間に即時に亀裂を生み混乱を招く可能性のあるハードフォークに対して、コミュニティにおけるコンセンサスは対立的なものであるということは明示しているようだ。


 

※原文

Bitcoin Exchanges Coinbase, Bitfinex Issue Guidance Before SegWit2X Hard Fork
https://cointelegraph.com/news/bitcoin-exchanges-coinbase-bitfinex-issue-guidance-before-segwit2x-hard-fork