ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、ここ数年で最悪の第1四半期を迎える見通しとなっており、残り数日で大幅な反発がなければ記録的な低調ぶりが確定する。

コイングラスのデータによると、イーサリアムは2025年第1四半期に入りこれまでで37.98%下落しており、これは2018年の46.61%に次ぐワースト記録である。ビットコインは同期間で6.49%の下落となっており、2020年の10.83%以来、最も低調な第1四半期となる見通しだ。

3月末までの市場反発の可能性は低い

Swyftxのリードアナリストであるパヴ・フンダル氏はコインテレグラフに対し、「第1四半期末にかけての垂直的な反発は起こりそうにない」と指摘した。

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イーサリアムは第1Qに平均78.2%のリターンだった Source: CoinGlass

フンダル氏は「仮想通貨市場は、4月中旬まで“視界不良”のままとなるだろう」と述べ、その理由としてトランプ米大統領による関税政策の行方が依然として不透明であることを挙げた。

「経済データを見る限り、世界経済はおおむね良好な状態にある」と同氏は付け加えた。

一部のアナリストは、ビットコインが再び大きな上昇を見せるのは「数週間以内」との見方を示している。

仮想通貨評論家のコリン・トークス・クリプト氏は、3月19日のX投稿で「次の大規模上昇は4月30日前後になる可能性がある」と述べた。また、スワン・ビットコインのCEOであるコリー・クリップステン氏は、今月初めに「ビットコインが6月末までに史上最高値を更新する確率は50%超」と語っている

歴史的には強い第1Qだが…

歴史的に見ると、第1四半期はイーサリアムにとって最も成績が良い時期であり、ビットコインにとっても2番目に良い時期である。2017年以降、イーサリアムは第1四半期に平均78.23%の上昇を記録しており、ビットコインは2013年以降で平均51.62%のリターンを誇っている。

記事執筆時点では、ビットコインは8万7558ドル、イーサリアムは2059ドルで取引されており、過去24時間でそれぞれ5.08%、5.88%上昇している。

一方、イーサリアムの対ビットコインでの強さを示すETH/BTC比率は0.2348と、2020年5月以来の低水準にある。

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The ETH/BTC ratio is sitting at 0.02348 at the time of publication. Source: TradingView

時価総額で上位を占めるビットコインとイーサリアムの下落を受け、仮想通貨市場全体も下落基調にある。コインマーケットキャップのデータによると、1月1日以降で仮想通貨市場全体の時価総額は11.65%減少し、現在は2兆8800億ドルとなっている。

2024年末にビットコインがトランプ氏の大統領選勝利を受けて初めて10万ドルを突破したことから、多くの投資家は2025年第1四半期に強気相場を期待していた。

しかし2月に入ると、トランプ政権の関税導入や米国の金利政策の不透明感が市場に影を落とし、ビットコインが再び10万ドルを割り込んだことで、市場心理は急速に悪化した。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。