米国でビットコイン現物上場投資信託(ETF)が開始されてから、マイナーのBTC保有量に大きな変動が見られた。取引開始後の最初の48時間で、マイナーのウォレットから取引所へと10億ドル以上のBTCが移動した。
ビットフィネックス・アルファの市場レポートによると、1月12日のビットコイン現物ETF取引の2日目には、マイナーから取引所へのビットコインの流出が大幅に増加した。マイナー関連ウォレットから取引所へ同日に送られたビットコインが10億ドル以上に達し、マイナー流出の6年ぶりの高水準を記録したとレポートは強調している。
2月1日にも、マイナーのウォレットから取引所へと13500BTCが移動し、翌2月2日には約10000BTCがマイナーのウォレットに戻されたことが記録された。これは特定のマイニング企業がウォレットのリバランスを図った活動である可能性を示唆している。
ビットフィネックスのアナリストは、1日での純流出量が3500BTCに達したことについて、2023年5月以降で最も高い値を記録したと指摘している。

ビットコインETFの承認以降、マイナーのウォレットからのビットコインの流入と流出を示すオンチェーンデータは主にマイナス(純流出)となっている傾向にある。クリプトクオントのデータによると、マイナーからの純流出量が合計で約10,200BTCであると推定している。

マイナーがウォレットからBTCを移動させた要因は多岐にわたる。レポートは、マイナーの運用資金需要や市場状況への様々な反応、ビットコインETFの承認後の調整などを挙げている。また、一部のマイナーはETFが承認される数週間前の価格上昇を利用して資産を流動化し、運用費用やリスク管理のために売却した可能性があるとアナリストは付け加えている。
ビットコインETFの承認後、マイナーがウォレットからビットコインを移動しているのが観察された一方で、オンチェーンデータは、長期的なビットコイン投資家が資産を保有し続けており、現在の市場価格で売却することに消極的であることも示唆している。
アナリストは1年と2年の時間軸では、最後に動いた(送金された)ビットコイン供給量が減少していることを強調。この数値には、グレースケール・ビットコイン・トラストがビットコインETFにスワップされた際にビットコインが売却されたほか、休眠状態のBTC保有が売却されたことも含まれている。
報告書は、長年保持されていたビットコインの動きが市場行動に大きな影響を与え、ビットコインETFや現在の市場状況に基づいてポジションを再評価する投資家のセンチメントや戦略を反映していることを指摘している。
アナリストは、ビットコイン供給の大部分が依然として保持されていることを強調しており、長期投資家の間でビットコインの将来的な価値上昇への信念が続いている傾向を反映していると指摘した。