ビットコインはロングポジションの5億1400万ドルが精算され急落した。
しかしある人気アナリストによると、ビットコイン(BTC)が急落したのは米国の規制当局によるビットコイン現物上場投資信託(ETF)の承認可否が原因ではないようだ。
ビットコインETFを承認する「理由はない」=マトリックスポート
1月3日に15歳の誕生日を迎えたビットコインにとって、今回のBTC価格の急落では、約9%下落した。

統計リソースのCoinGlassによると、ロングポジションの清算額は5億1400万ドルに上る。

今回の動きは、ロングと建玉を洗い流すとともに、仮想通貨金融サービスプラットフォームのマトリックスポート(Matrixport)のレポートと同時期に起こった。レポートでは冒頭で米証券取引委員会(SEC)が「現物ETFを却下する」と断言した。
「ETFは確かに仮想通貨全体の成長を促進するだろうが、ゲンスラー氏の2023年12月のコメントに基づくと、同氏はこの業界にさらなる厳格なコンプライアンスが必要だと見ている」とレポートは述べている。
「政治的な観点から、ビットコインを代替的な価値の貯蔵手段として正当化するビットコイン現物ETFを承認する理由はない」
このレポートはすぐに市場に影響を与えたが、マトリックスポートはETFがデビューに失敗する理由を具体的に示さなかった。SECによる承認期限は1月4日から1月10日までだ。
「一直線に上昇しない」
トレーダー兼アナリストでポッドキャストホストのスコット・メルカー氏は、同社の見解の根拠に困惑した。
This is the “reason” for the dump.
— The Wolf Of All Streets (@scottmelker) January 3, 2024
I put reason in quotes, because this is really just a leverage flush.
Regardless, this is an OPINION with zero new information that flies in the face of everything shared by experts.
Are you guys that skittish? pic.twitter.com/inqMvPrb8r
他にも、同日に見られた清算は異常ではなく、事実上、ビットコインの標準的な強気相場行動の一部であると示唆する声もあった。
「人々は物語を求めて必死になっていることはわかっていますが、ビットコインはETF却下に関するくだらないレポートのために売られたわけではありません」と、仮想通貨弁護士のジョー・カルサレ氏はX(旧ツイッター)のフォロワーに語った。
「売られたのは、一直線に上昇するものはありえないからで、流動性を簡単につかんでロングスクイーズを行うためだ。要するに、市場は過熱していた」
一方、Matrixportは、もし却下が現実になった場合、さらなる下落を予測した。
「SECによる却下があれば、追加の51億ドルのビットコイン先物永久契約のほとんどが解消されると予想されるため、連鎖的な清算が発生する可能性がある」とレポートは続けている。
「ビットコイン価格は直ちに20%下落し、3万6000ドルから3万8000ドルの範囲に戻る可能性がある」
既報のように、下落目標は3万ドル台が人気のあるレベルとなっている。