エコノミストであるティモシー・ピーターソン氏は、今後100日以内にビットコイン(BTC)が過去最高値を更新する可能性を指摘し、2025年に向けて強気の見通しを維持している。
ピーターソン氏は、X上で公開した分析の中で、BTCの価格変動とCBOEボラティリティ指数(VIX)との相関に注目した。VIXは30日間の市場ボラティリティ予測を示す指標であり、過去50営業日で55から25へと大幅に低下している。VIXが18を下回ると、市場がリスクオンの状態にあるとされ、ビットコインのようなリスク資産にとっては好材料となる。
ピーターソン氏のモデルによれば、VIXが低水準を維持する場合、今後100日以内にBTCが13万5000ドルに達する可能性があるという。これは、ビットコインが市場心理に敏感であり、不確実性が低下するとリスク資産への投資が促進されるという特性と一致する。
また、ビットコインのボラティリティについて、フィデリティのグローバル・マクロ戦略ディレクターであるユリエン・ティマー氏は、ビットコインを「ジキル博士とハイド氏」に例えた。ティマー氏は、ビットコインが価値の保存手段(ジキル博士)と投機資産(ハイド氏)の両方の性格を持つ点が、常に「ハードマネー」として安定した性質を持つ金とは異なると指摘する。
ティマー氏はさらに、ビットコインと世界のマネーサプライの関係にも言及し、次のように語っている。
「M2(マネーサプライ)が拡大し、株式市場が上昇しているとき、ビットコインはその両方の属性を活かして急騰する。しかし、M2が増加していても株式が調整している場合、ビットコインはそれほど上昇しない」
ステーブルコイン時価総額が過去最高2200億ドルに到達
クリプトクオントのデータによると、ステーブルコインの時価総額が過去最高の2200億ドルに達した。これは仮想通貨市場における流動性の急増を示しており、ビットコインが弱気局面から抜け出しつつあることを示唆するものとなっている。
ステーブルコインは仮想通貨市場における資金供給の指標とされており、その資本流入の増加は、今後数週間以内にビットコインが再び高値を更新する可能性を高めている。
一方で、短期足のチャートでは市場構造の変化が見られている。BTC先物の資金調達率が再びマイナスに転じており、これは強気相場に逆らう形でショートポジションが増加していることを示している。
4時間足チャートでは、2025年で最もマイナス幅の大きい資金調達率が観測され、ショート側の流動性がロング側を大きく上回っている。このような状況ではショートスクイーズが起こる可能性が高くなる。
この不均衡がビットコインを10万ドル付近まで押し上げる要因となる可能性がある。多額のショートポジションが清算のリスクされることになれば、上昇の勢いをさらに強め、弱気派を不意打ちする展開が予想される。
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