ビットコインキャッシュ(BCH)は6日、一晩で36%の急騰をみせた。過去7日間でも50%ほど上昇し、時価総額ランキングでもトップ10に再び返り咲いている。BCH価格は24時間で1068ドルから1462ドルへと上昇し、今週の安値である800ドル台から驚異的な伸びを示している。

かつて時価総額でトップ10の常連だったBCH。今月15日には毎年2回予定されているハードフォーク(BCHコミュニティは定期アップグレードと呼ぶ)を控えている。今回のハードフォークでは2つの微調整が加えられる予定だ。

一つ目は未確認トランザクション(0承認)の制限が撤廃され、ブロックの確認を待たずに多くのマイクロトランザクションを処理できるようになる。

BCHのブロックはビットコイン同様に10分ごとにマイニングされる。現在の仕様では、ネットワーク上にトランザクションが送信されると、ブロックにマイニングされるまでは該当のトランザクションは「未確認」とされる。この未確認チェーンは、10分という承認時間の問題を解決するために、ブロックチェーンに記載されていなくても取引を完了させる仕組みだ。

従来のチェーンでは、この「未確認」トランザクションの上限は50に限定していた。これまでは、50を超えるトランザクションは有効であるにも関わらず、ネットワークに無視されてしまっていた。今回のハードフォークではこの上限が撤廃される。

二つ目の変更点は複数の「OP_RETURN」出力が導入されることだ。現在、ビットコインキャッシュのブロックチェーンでは、テキストや画像などの雑多なデータをトランザクションに挿入することができる。現時点では、1つの取引に含まれる「OP_RETURN」出力は1つの画像やテキストなどに限定されていた。今回のハードフォークにより、1つのトランザクションに複数のデータを含めることができるようになる。

こうした仕様変更によって、今後利用可能性が高まり、NFT(ノンファンジブル・トークン)などにも対応できるようになることが期待される。

ビットコインキャッシュ価格は、他の仮想通貨と同様に年初から上昇を続けている。ビットインフォチャートのオンチェーンデータによると、ビットコインキャッシュの取引件数も同様に上昇している。

データによると、ビットコインキャッシュの1日の取引件数は、12月の2万件から、記事執筆時点では15万件以上に増加している。2月から4月にかけて、ビットコインキャッシュはビットコイン(BTC)よりも多くのトランザクションを1日単位で処理しており、3月21日のピーク時には、ビットコインの22万9000件に対して、ビットコインキャッシュは41万4000件だった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン