仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)のブロック報酬が半分となる半減期到来は、BCHのハッシュレートに混乱をもたらしている。2日間で80%を超える急激なハッシュパワーの低下に見舞われた。

その結果、BCHへの51%攻撃を開始するコストが、現在1時間あたり1万ドル未満となり、ネットワークのセキュリティに対する懸念を引き起こしている。

51%攻撃は、マイナーが50%以上のハッシュレート(計算能力)持つことでネットワークをコントロールすること。他のマイナーによるマイニングを妨げたり取引記録を覆したりできる。また二重支払いを実行する可能性もある。

BCHのハッシュレートが80%低下

ビットコインキャッシュのブロック報酬が12.5BCHから6.25BCHに半減したことで、多くのマイナーがハッシュパワーをビットコイン(BTC)ネットワークに移行させたようだ。

f2poolによれば、BCHのハッシュレートは、毎秒4200ペタハッシュ(PH/s)だったのが、半減期から2日で720PH/sまで低下した。過去5時間でBCHのハッシュレートは反発し、1600PH/sまで上昇している。

BCH hashrate over seven days

出典: f2pool 過去7日間のBCHハッシュレート

マイニングデータサイトのfork.lolは、BCHのハッシュレートが低下する一方で、ビットコインのハッシュレートが30%以上増加したと報告している。

BTC and BCH hashrate over 30 days

出典: fork.lol 過去30日のBTCとBCHのハッシュレート

51%攻撃の脅威

ハッシュレートの急落により、ビットコインキャッシュへの51%攻撃の懸念が浮上している。Crypto51は、ハッシュパワーをレンタルして、ビットコインキャッシュのネットワークに攻撃するコストが、1時間あたり9130ドルになると推定している

仮想通貨コミュニティでは、BCHハッシュレートの急落がビットコインの今後を予測する手がかりになるかどうかを議論している。ビットコインのネットワークは約1ヶ月後に半減期が到来する。

さらに、今後半減期を迎えるのはビットコインだけではない。ビットコインゴールド(BTG)、ビットコインダイヤモンド(BCD)、ジーキャッシュ(ZEC)、ジーコイン(XZC)もそれぞれ半減期を迎える。BCHのように51%攻撃の懸念が浮上するとも限らない。