ビットコインはその誕生から価格が様々に変動している。2013年から1 BTCあたり、100ドルから1,100ドル以上にまで価格が上昇し、2014年の終わりには約200ドルまで下落、2015年の終わりには450ドルまでその値を戻している。現在は400ドル近い値が付き、日々の小さな価格変動に留まり安定している。こういった価格の不確実性は、企業にとっては運用するための信頼できる収入の流れを確保する必要があるため、課題となる部分だ。

しかし、ビットコインの価格変動はこのように大きなものであるにもかかわらず、全体の取引の数は着実に伸び続けている。決済代行サービス、BitPayもまた、ビットコインの価格に対する取引量をグラフ化した結果、価格の変動に左右されず着実に取引の量が増加していることを確認している。

コインテレグラフは、企業における価格変動の影響について、ビットコインでの取引を受け付けているビジネスオーナー数人に話を伺った。

 

 

企業にビットコインの受け入れを推奨することで価格が急騰する

銃器メーカー、Shaolin Rifleworks(Airbitzを取引に採用している企業)のオーナーLan Underwood氏によると、ビットコインを採用したことで、暗号通貨に資金をつぎ込む可能性のある多くの顧客を呼び込むことになり、価格は急騰するという。

 

「我々は、ビットコインの採用を決めました。高価な製品を生産していることもありますし、現金ではなくビットコインでならたくさんお金を持っている、という人がいるからです」

 

価格変動への対処

建設会社、Auburn Contracting Services、LLCのオーナー、Adam VanLandingham氏はビットコインで経費を支払うことはないが、価格変動は問題ではないという。

 

「直接送金し(米国ドル)アカウントにチャージするのでBitPayを利用しても問題ではありません。あまり高い金額でなくても10%貯蓄します」

 

Brandon Ross弁護士もまたBitPayを利用しローカルカレンシーに直接換金していて、特定の費用を支払う際にビットコインを利用しているようだ。

 

「直接ビットコインで仕入先へ支払いをするような機会が少なからずあります。特に技術を購入するような際には」

直接的な価格変動による影響を案じて、ビジネスから身を遠ざけてはいたものの、Ross氏は長期的な価格の変化に対しての不安は抱いていないようだ。

 

「私は価格変動に関しては全くといっていいほど気にしていません。少し気にし過ぎている人もいるようですが、暗号通貨はまだ揺籃期の真下にいます。いくつかの異なるファクターによって価格変動は引き起こされます。テクノロジーが熟していくにつれて、広くビットコインが使われるようになれば、心配する必要すらなくなるかもしれません」

暗号通貨を決済方法として信用する

 

Van Landingham氏は、ビジネス系のテレビ番組を見た後にビットコインを利用するアイディアを初めて思いついたのだという。

 

「私は2010年に、John Stossel氏がメインパーソナリティを務めるTV番組のリポートを見てしまったのです。その時が、私が初めてビットコインを購入した瞬間でした。29ドル分購入しました」

 

当時、Ross氏にとって、ビジネスにおいて問題なくビットコインを利用するにはまだリスクが大きかったようだ。

 

「何人かのクライアントと携わっていました。ビットコインを利用する前からそれについては知っていましたが、実際ビットコインを”信用”はしていませんでした。まだビットコインの価格が今の四分の一だった時に、一度1000億ドルのオファーを受けたことがあるのですが、断ってしまいました。今では後悔しています」

 

価格は顧客の選択に影響し変動する

 

ビットコインを利用するRoss氏のクライアントの傾向は、その時々の価格に応じて変化するという。

 

「ビットコインの価格が落ちれば、人々は米国ドルを買おうとします。しかしそれは経済的な文脈で言えば完全に理にかなった判断です。それは支払う人間の個人的な予測に基づいたものですが、価格が変動すれば、ビットコインをあまり使いたくないと思うのが普通でしょう。彼らがビットコインの未来に価値を見出していればですが」

 

BitPayによる見通し

BitPayの代表、James Walpole氏によれば、暗号通貨による収益が見込める信頼できる筋からのオファーが継続してあるのだという。

 

「約40%のBitPay加盟店が、支払いの一部または全てをビットコインによって決済しています。その40%は時間と共にとてもコンスタントなものとなってきています」

 

Walpole氏は、Ross氏によるビットコインの価格が上昇することで、より利用される機会が増え、相対的に価格が下落すれば、より需要は高まるだろうという意見に対してこう結論付けている―

 

「価格が変動した際の決済方法についてですが、我々は、ビットコイン価格が下落した場合、加盟的によるビットコインによる支払いは増々増えていくだろうと確信しています(ローカルカレンシーとは対照的に)」