仮想通貨タンブラー(ミキシングサービス)のビットコインブレンダー(ビットブレンダー)が、ユーザーに仮想通貨の引き出しを求める告知を出した後、閉鎖したという。発表から短時間で閉鎖したため、一部ユーザーは自分の仮想通貨を引き出せなかったようだ。テック系ニュースサイト「ブリーピング・コンピューター」が5月30日に報じた。
仮想通貨タンブラーとは、一般には、任意のアドレスの仮想通貨と、他のアドレスの仮想通貨とを混合することで所有者情報の追跡を困難にし、匿名性を高めるサービス・仕組みを指す。
記事によると、「トーア(Tor)」ネットワークによるダークウェブと、クリアネット(暗号化されていない、一般的なインターネットのこと)のウェブサイトの両方において、ビットブレンダーは、サービスの説明として次のようなメッセージを表示していたという。
「我々は、顧客自身と、その取引との関連を取り除くために、仮想通貨ビットコイン(BTC)を混合する秘匿サービスだ。このサービスは、(仮想通貨アドレスをたどるなどユーザーを探る)『ブロックチェーン分析』から保護するため、オンラインでの活動に不可欠な匿名性を追加する。」
ビットコインブレンダーの閉鎖は、トーアネットワーク上での告知以外にも、掲示板サービス「ビットコインフォーラム(bitcointalk.org)」で先月27日に発表された。ブリーピング・コンピューターによると、発表から閉鎖までの時間が短く、一部ユーザーが仮想通貨を引き出せなかったとビットコインフォーラムに投稿した。
「私は、ビットブレンダーの閉鎖を最近知った。ビットブレンダーに多くのコインを貯めていた。私は、過去数週間確認していなかったので、閉鎖の告知を見逃してしまった。この2~3時間(トーアネットワーク上の)ビットブレンダーにアクセスしようとしているが、つながらない。」
記事掲載時点では、トーアネットワーク上のサイトはアクセスできないが、クリアネット側のウェブサイトは今のところアクセスは可能だ。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版