ビットコインベースのステーブルコインが2024年に登場し、他のステーブルコインとスピードやコストで「競合」する可能性があると、仮想通貨投資会社コインシェアーズが予測している。

コインシェアーズのアナリストは1月22日に公開された展望レポートで「2024年はビットコインによるステーブルコインで重要な年になる」と述べた。「我々の予測では、ステーブルコインセクターでの競争に焦点を当てたビットコインプロジェクトが、ユーザーにとって簡単に利用できるようになるだろう」と予想している。

「我々は実用的で、少なくとも理論上は成り立つ開発プロジェクトが、ついに利用可能なツールとして登場すると予測する」とレポートでは書いている。成功すればビットコインによるステーブルコインプロジェクトは「他の代替手段のスピードやコストに匹敵」し、ビットコインインフラの基本的な安定性を受け継ぐことになるという。

「ビットコインブロックチェーンは最長の歴史、最高の安定性、最小の技術的負債、最強の保証を誇る」とし、ビットコインがステーブルコインのプラットフォームになるとの認識を示した。

ビットコインベースのステーブルコインは過去にも作成されたことがあるが、コインシェアーズは今年、ビットコインベースのステーブルコインプロジェクトがユーザーにとって容易に利用可能になると予測している。

「我々は、ビジネスやビットコインプラグインがステーブルコインの支出を着実に統合し、継続的な使用量の増加への道を築くと考えている」と述べ、これによりビットコインの金融的特性や検閲抵抗力がさらに強化される可能性があるとしている。

しかし技術的な障壁は依然として存在している。歴史的にみると、ステーブルコインのユーザーがより速く、より低コストのネットワークを好むことを示しているという。「ビットコインはアーキテクチャ上、ドルペッグトークンのような外部資産をネイティブにサポートする柔軟性を持たず、歴史はステーブルコインの採用が最も安価な取引コストと最高のスピードを提供するプラットフォームに集まることを示している」とレポートは書いている。

トラストマシーンズによると、スタックス、RSK、リキッドネットワークなどのビットコインインフラ企業は、ビットコインのベースレイヤー上にステーブルコインを作成している。USDA、ダラー・オン・チェーン(DoC)、rDAI、リキッドベースのテザー(L-USDt)は、ビットコインのレイヤー2ネットワーク上で立ち上げられた米ドル建てのステーブルコインだ。

これらのステーブルコインはビットコインのセカンドレイヤーに存在するが、トラストマシーンズはステーブルコインが最終的にビットコインのベースレイヤーにもたらされる可能性があるとしているが、現時点では不可能だとしている。

ビットコインブロックチェーン上で「bitRC20フォーマット」のステーブルコインを近々リリースすると主張する企業の1つが、仮想通貨取引所OKXのベンチャーキャピタル部門に支えられたbitSmiley Labsだ。

同社の最新のホワイトペーパーによると、「bitUSD」と呼ばれるすべてのbitUSDは超過担保によって裏付けられ、すべてのbitUSD取引はビットコインブロックチェーン上で公に可視化される。しかし、bitUSDは米ドルに「ソフトペッグ」されるだけであるとホワイトペーパーは述べている。