ビットコイン向けASIC(特定用途向け集積回路)の製造業者であるビットメインは、9月以降の従業員の給与支払いを一時停止した。
現地報道によると、ビットメインの複数の社員の話として、ビットメインがすべての「ボーナスとインセンティブ」を停止し、先月以降の給与をまだ支払っていないという。さらに、従業員の基本給が50%削減される見込みだ。ビットメインからのとされるメッセージには、「9月の弊社は、特に新しいASICの注文において、まだ純プラスのキャッシュフローを達成できていない。したがって、9月の給与を一時停止し、休日後の10月7日以降に再び見直すことを決定した」と書かれている。
中国・北京に本社を置くビットメインは2013年に設立され、ピーク時には市場シェアの約70%を占める世界最大級のビットコインマイニングASIC製造業者の1つだ。同社のアントマイナーASICシリーズは、ビットコインのマイニングにおけるハッシュレート計算で業界をリードしている。
今年8月、ビットコインマイナーのHiveは、自社のリグに直ちに導入するため、ビットメインのS19 XP ASICマイナーを2000台購入したと発表した。S19XP ASICマイナーの価格はビットメインで4653ドルだ。Hiveによると、統合後の同社のマイニングリグは、旧型および非ビットメインモデルを含め、1メガワット時間あたり80ドルの収益を生み出すという。
2021年、ビットメインの共同創設者であるジハン・ウー氏が、共同創設者のミクリー・ジャン氏との間で1年間続いた所有権を巡る法廷闘争の解決を発表した。この合意により、ウー氏はビットメインの会長兼CEOを辞任し、所有権を6億ドルでジャン氏に売却することとなった。当時、ビットメインは2022年末までに50億ドルの評価額での新規株式公開を計画していたが、現在の弱気市場の影響でその計画は棚上げとなった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン