仮想通貨市場が活況を呈している中、ビットコイン用のASIC(特定用途向け集積回路)マイナーやサーバーへの需要は鈍いようだ。
2月27日、ビットコインASIC製造企業カナンは2023年第4四半期の決算を発表した。同社によると、収益は4900万ドルで前年同期比16%減少した。一方、損失は前年同期の9160万ドルから1億3900万ドルに拡大した。カナンによれば、販売されたコンピューティングパワーの増加とビットコイン(BTC)価格の回復にもかかわらず、ASICが昨年の市場よりも低価格で販売されたという。
さらに、同社は今後の市場環境が厳しくなると予測している。「2024年第1四半期および第2四半期の総収益は、それぞれ約3300万ドルと7000万ドルを見込んでいる。業界全体の厳しい市場状況を考慮したものだ」とカナンは述べている。
ビットコインは最近目覚ましい上昇を見せており、過去1年間で144.4%のリターンを達成している。価格上昇と並行して、BTCのマイニング難易度も同期間に2倍に増加した。電気料金の高止まりと、4月に控えるビットコイン半減期により、マイニング報酬が50%削減されることもあり、ビットコインマイニング業界はコインの価格が過去最高値に戻るとしても新たな逆風に直面する見込みだ。
「マイニングマシン市場の継続的な弱気市場の課題を認識しつつも、最近承認され現物型ビットコインETFは、ビットコインがより大きなユーザーベースを引き付け、長期的により具体的な合意を促進する可能性を示していると我々は考えている」とカナンは書いている。