19日の仮想通貨市場は全面高の展開となっている。ビットコイン(BTC)は前日比6.3%高で、5430ドル近辺で取引されている。主要通貨のイーサ(ETH)は6.6%高、XRPは4.1%高となっている。

アルトコインの伸びも大きい。投資プラットフォーム「リパブリック」との提携を発表したアルゴランド(ALGO)は17%上昇と大幅に伸びている。また日本のGMOコインでの取り扱いが始まった分散型ブラウザ「ブレイブ」のネイティブトークンBATは11.5%上昇となっている。

出典:Coin360 18:15時点

株式市場との「デカップリング」進むか

新型コロナウィルスの問題が拡大する中、ビットコインと株式市場との相関関係が大きな注目を集めた。

バイナンスリサーチは昨年12月31日から3月12日までのデータをもとにビットコインと米株式指数S&P500との相関が高まっていると指摘。仮想通貨分析のコインメトリックスも17日のレポートの中で、ビットコインとS&P500の相関が過去最高を更新した点を指摘している。

一方、仮想通貨アナリストのウィリー・ウー氏は、ビットコイン、S&P500、金(ゴールド)の値動きを比較し、「ゴールドとBTCは3日前からS&P500からのデカップリングを示唆している」と指摘している。

ウー氏は「ゴールドは二番底を形成し、BTCは蓄積パターンを形成している可能性がある」と指摘している。ウー氏は、次の重要なイベントはBTCが伝統的なマーケットから切り離されていることを確認することだと主張している

ウー氏の主張に対しては、ビットコイン開発の功労者の1人であるアダム・バック氏もコメント。ビットコインや金などの下落は、現金を手にしようとする短期的なものであると述べている。

バック氏は、ビットコインは「基本的に実体経済から切り離されたものである」と述べ、今後取引所への入金が増えることでBTCが上昇する可能性があると示唆している

折しも3月18日の米国株式市場は大幅に下落し、トランプ政権でのダウ平均の上げ幅が消失したことが大きく報じられた。しかし、ビットコインをはじめとする仮想通貨市場は今回の米株下落には大きく反応していない。今後の株式市場と仮想通貨市場とが実際にデカップリングが進んでいるのか注目する必要がありそうだ。