米中の貿易協議交渉での合意のニュースを受け、5月12日の米ウォール街での取引開始時、ビットコイン(BTC)は10万4000ドル付近での保ち合いを続けた。
米中貿易協議のニュースに反応
米中の相互関税削減合意を受けて、S&P500指数とナスダック総合指数はそれぞれ約3%上昇した。これに呼応する形で米ドルも強含み、米ドル指数(DXY)は1カ月ぶりの高値を記録した。
「前回、米国の対中関税がここまで高かったとき、S&P500は今より200ポイント近く低く、2025年には利下げが4回予想され、ウォール街はリセッションを見込んでいた」と、トレーディング情報アカウントのコベイシ・レターはXで分析した。「センチメントがすべてである」。
このような状況下で、ビットコインは主要資産群の中間に位置する値動きを見せた。金価格は1オンスあたり3208ドルまで急落し、月間最安値圏に迫っている。
トレーダーのダーン・クリプト・トレード氏は、コイングラスの注文板流動性データとともにXで次のように投稿した。
「BTCは10万3000~10万5000ドルの範囲でもみ合った末に、直近の流動性をほぼすべて吸収した。下値としては、清算が集中している10万2000ドル付近に注目だ。ここで何かしらの動きが起きる可能性がある。そこでの反応次第で戦略を再考できるだろう」
CoinGlassのデータによれば、ウォール街の取引開始後には10万3000ドル付近に買い注文が集まりつつある。
BTC最高値更新に向けて「進行中」
一方、トレーダーのクリプヌエボ氏は、ビットコイン価格の中長期的な強気シナリオをあらためて強調している。
注目すべきは、BTC/USDが50週間指数平滑移動平均線(EMA)のリテストに成功した点だ。この50週間EMAは現在8万300ドル付近にあり、過去の強気局面では新たな最高値更新の起点となってきた。
「我々は50週間EMAのリテストを完了し、それに続く次の上昇局面に入った」と、クリプヌエボ氏は5月11日のスレッドで述べた。
「過去にこの構造が見られたすべてのケースで、新たな高値が形成された。つまり今は新たな過去最高値への動きが進行中ということになる」
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。